人の死が淡々と描かれる名著。山田風太郎「人間臨終図鑑」感想
どうも、タコヤキです。
今回の本の紹介はちょっとジャンル的にどれに分類するのかわからないです。
歴史エッセイとでもいう感じですかね。
それでもすごい本ですよ。読む手が本当に止まらなくなります。こんな本ニ度と世にでることはないだろうと思います。
それがこれ。山田風太郎の「人間臨終図鑑」です。
新装版ですと全部で4巻あります。中々のボリューム。
「人間臨終図鑑」はどんな本か。
・歴史に残った人間の臨終の様子が年代順に淡々と描かれている
・世界中の歴史に残る人間の死の図鑑
どんなところが面白いか
・圧倒的な量の臨終の様子
・山田風太郎のエッジの効いた短文
・物語性がないところ
どんな人におすすめか
・人生に迷っている、なんとなくぼんやりしている人
・会社で消耗している人
・歴史が好きな人
感想:感じ方は本当に人それぞれだと思う。ただただ圧倒された。
いや、これすごい本ですよ。こんな本あったのかとびっくりしました。
この本を知ったのはphaさんの下の本からでした。▼
人間臨終図鑑で思った幸福感
最初は面白半分にとって読み始めたんですが、どんどん止まらなくなってしまってあっという間に読んでしまいました。
人生観が塗りつぶされるかもしてれないほどの本です。
そりゃあ色んな人生の終着点である臨終が永遠と描かれているわけですから、
今までの自分の幸福観とか人生観とか全部混沌に飲み込まれてしまいますよ。
若いうちに死んだ方はなんだかんだ理不尽なことが多いですね。
なんかもう、可愛そうすぎてどうしようもない人もいるんですけど、この本はそれでも淡々と進んでいきますね。人生なんてこんなもんかも、って思う瞬間。
逆に80歳くらいいくと、大往生を遂げる人がだんだんと増えていくわけなんですけど、それって結構最近の傾向なんです。長生きして家族に看取られる理想の死に方って、最近できたものなんですよ。
しかも長く生きたからってみんながみんな幸福を感じてたわけではないです。板垣退助とか。死に場所を求めてるようなゾンビ的な人もいますし。後悔しまくってる人もいます。
だから現代でちょっとレールが外れたからって気にしないほうがよいですよ。幸福のあり方なんて人の死に方と同じように多種多様です。自分の求めるものを求めていきましょう。
人間臨終図鑑でみる死に方
病死がなんだかんだいって一番多いですね。
肺炎やパーキンソン病、がん。
殺人とか処刑された人もいますけど。
死に際は喚いたり、悟りを開いていたり、感謝をしていたりする人は様々ですね。
そこに人間性がもろにでるな~とは思いました。
泣けるところもあれば、あっさりしたものもあります。でもやっぱりあっさりしたものが多いです。死は平等で結構無味乾燥な自然的なものです。
そうですね。「死」は自然的なものだと思います。時間のように過ぎ去っていくものです。特別な「死」なんてないです。そんなの人間が感情的になっているだけなんですよ。「死」は自然です。
生き方を見直す本になるかも
人の生き方と死に方は千差万別。そして思いもよらないことがおこります。
そして体験できる人生は恐らく一度っきり。
様々な多くの死を読んで、考えることは生きることでした。
僕はできるだけ楽しく、楽に生きていたいです。
辛い人生なんてまっぴらごめん。
これだけの死を読んだら、自分の本音がみえてくるかもしれません。
自分の魂を必死に引き出してあげるように。
人生に悩んでいる人はぜひ「人間臨終図鑑」を読んでみてください。
自分の人生を大切にしてください。
今回は以上です。
ーそれでは、また。