【書評】長江貴士さん「このままなんとなく、あとウン十年も生きるなんてマジ絶望」はやりたいことがマジでない人のためのサバイバル本
どうも、タコヤキです。
ネガティブ、毎日だるい、やりたいことがない。そんな明るいとは言えない気持ちで毎日を生きている人たち向けの本が出版されていました。
巷には夢を叶えたり、仕事でキラキラ輝きたいみたいな本で溢れかえっている中、「このままなんとなく、あとウン十年も生きるなんてマジ絶望」は、ネガティブでやりたいことの無い人間にとっては、よっぽど生きていく上でヒントになる本だと思います。
こんな人にオススメ
・毎日がだるい、つまらなく感じる
・やりたいこととかマジでない
・生きている意味や価値を感じられない
やりたいことがない人の抱える辛さ
「やりたいことや好きなことをやれ!」
もう散々ネットやらなんやらで溢れかえっている言葉ですよね。でもこんな言葉にいい加減疲れを感じている人もいるのではないでしょうか。
かくいう僕もその1人で、やりたいことなんて特にありませんでした。あの映画みたいとかあのゲームしたいはありますが、仕事にしたいとかそこまでの情熱は全くありません。ただのんびり毎日を生きたいと思っていました。
そんな僕みたいな人間が、就活でやる気をアピールするというあべこべなことをしています。嫌ですけど、お金ないと生きれないし、仕方ありません。必死にそれっぽい人間を作り上げます。
でも、そういうことに疲れた人が外れちゃった人が最近は増えているように感じます。めちゃくちゃ稼ぐ力があったり、強烈な個性を持っている人は、SNS時代やらyoutubeでなんとかなってる印象がありますが、僕みたいな中途半端人間はどっちも修羅の道です。ただ辛い。
タイプBという生き方
上記のように辛さを抱えている人にとって、1つの生き方を示しているのが本書です。「タイプB」と書かれています。
「タイプB」の生き方は、人を後押ししたりやりたいことを持たないといった、所謂自己啓発本とは真逆のことについて書かれていました。具体的には以下の感じ。
- やりたいことをもたない
- 何でも首を突っ込んでみる
- 考え方を変える
- サポート役を務める
- 自分のやれる範囲を示しておく
本書では上記のようなことを、まとめて「適応力」と名付けています。
この適応力は、自分でも思い当たる節があり、結構共感できるところがありました。
・死なないためにも、自分を保つために
特に自分を保ったまま、周囲にできるだけ溶け込むという行が、非常に共感しました。僕も就職しているわけだけど、たくさん残業したりストレスフルで働くのは無理な体質です。
だから周囲にもそんなに働けません的な言葉を、冗談っぽく言ったりしていました。仕事をしないわけではないですが、過度な仕事は無理だと言っておくことで、ボーダーラインを引いてる感じでしょうか。
でも完全に拒絶すると、周囲にハブられてしまう可能性が大きい。だから完全に自分から閉ざすことはしない。しかしボーダーラインはきっちり守るって感じです。
これで完全に上手くいくって言ったら、そうではありません。時にはボーダーラインを踏み越えられたり、強く相手を拒絶してしまうこともあります。そういう時は素直に辛いと言ってみたり、謝ったりしていました。
そんなことを続けるうちに、本書のように「〜君だからな」ってなることは、自分の体験でもありました。
嘘をつき続け、それを維持していくのは非常に苦しいです。いつか限界がきてしまうでしょう。だからある程度の節度を持って自分がどう扱われたいのかを示すということは、自分を生かすためにも重要なことだと思いました。
・苦しまないためにも、執着しない
あと印象に残ったのが、執着しないってこと。
ブッタの考えで、「すべての苦しみは執着にある」という考えがあります。
気に入らない相手や物事に執着しているから、悲しいや怒りという感情(心の反応)が出て来るという感じです。
「仕事は真面目にやらなくちゃ」、「良い会社にはいらなくちゃ」、「期待に答えなくちゃ」、「〜しなければ」
これらは全部心が執着しているから生まれます。そういった執着を手放すというのが生きやすくなるための一歩なのです。
執着を手放すには、まず現状を客観的に把握すること。
そして状況を分析して、変えられそうなところは変える。無理そうなら逃げる。逃げられなそうなら考え方や付き合い方を感じるという感じです。
現状が変えられそうなら、それをやることに集中すればOK。完全に無理そうならば、一旦逃げてどうするかを考えるのもまた合理的でしょう。一番イヤなのは逃げたいのに、逃げれないという状態ですが、現実を変えるのは難しそうなので、自分の考え方を変えてやりすごしましょうって感じです。もちろん鬱になりそうとかのレベルなら、即外部に助けを求めたり、なりふり構わず逃げてしまった方が良いですけど。
そんな感じで、執着を捨てれば必要以上に苦しまなくてもいんじゃないかということです。執着については、こちらの「反応しない練習」という本がオススメ。ぜひ読んでみてくださいね。▼
・周りに振り回されないためにも、自分なりの価値基準を確立させる
最後は価値基準についてです。
一番思ったのはやはり、自分なりの価値基準を確立しておくのが大事だということ。
最近の人はとにかく周りからの承認を得たくて色々うるさすぎです。
フォロワー何人ほしいとか、インスタ映えとか。
こうしたことは、自分の外側で価値を測っていることになります。そして、その価値は他人によって簡単に上下変動してしまう。そんな中で生きるのはとても疲れます。だってずっと周りの価値に振り回されてしまうのですからね。
だから自分の内側による価値基準で生きていく方が良いって感じです。自分の内側の価値観がしっかりしていると、他人や流行とかにあまり振り回されなくなります。自分が良い!って思ったことを軸に、行動なり思考なりしていく。そうすると、余計な価値観に振り回されることが少なくなるでしょう。
最後に
最後に書きたいのは、これも1つの生き方にすぎないということ。本書でも書いてありましたが、人の生き方は本当に様々です。すべてのネガティブな人に当てはまるわけじゃありません。
良いところをつまみ食いして、良さそうなら自分の人生に採用していく。そんな感じが良いでしょう。この本や生き方に執着しないことです。自分の心に素直になって、色々と改善していきましょう。生き方は色々ある方が救いがあります。この本を読んだら自分なりの「タイプX」の生き方を模索して、シェアしていきましょう。
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今回は以上です。
ーそれでは、また。