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【書評】先崎学さん「うつ病九段」は、鬱の想像を超える圧倒的な本。

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 どうも、タコヤキです。

 今回紹介するのはこちらの本になります。

 

 将棋の棋士である先崎学さんが、うつ病になってしまい、そのリアルな回復期を赤裸々に描いた手記です。

 とにかく読んでてページをめくるのが止まらなくなりました。色々個人的に思うことがあったので、そんなことを書いていこうと思います。

 

 

強い人でも鬱になる

 先崎さんは将棋のプロ棋士。自分は碁しか打たないけど、九段であるからその強さは本当に上位にいる方だということはなんとなく分かる。

 そんな強い人がうつ病、しかも精神病院に入院するほどの重度なうつ病を患ったという。しかも読んでいて思ったのが、矢崎さんは基本的に強い人だということだ。

 強い人ということは、将棋の棋力ではなく、人間が生きる上でとてもタフで力強いという意味。先崎さんは、小さい頃からプロという厳しい世界にいて、将棋の勉強だけでなく、スポーツも学業にも熱心な方でした。

 そんな人的に強い先崎さんのような人でも重度なうつ病になるということが、驚きであり、恐ろしいことだと感じた。

 そんな人だからこそ、うつの回復期でようやく自分の現状を把握できるようになってしまった時の絶望感といったらどれだけのものだったのだろう。僕みたいにずぼらで弱い人間がそうなるのとは、また別次元の苦しみだと思う。

 僕も受験期に軽く精神をおかしくしていて(完全な主観)、机をひたすら殴ったりだとか、一日中ぼーっとしていたことがあった。受験が終わってからゆっくりと回復したけど、あの時はどうもおかしかった。勉強しているようでしていない感じ。その後、長い期間勉強なんてしなかった。今は普通に勉強できるようにはなっているが、それでも3年とかかかったと思う。

 精神的な問題は本当に人それぞれだ。その人の物語があり、その人の感情がある。だから誰でもうつになりうる。僕には先崎さんの苦しみは僕には想像つかない。ただ苦しんでいるということくらいしかわからないのだ。そういう意味では、うつとは孤独との戦いなのかもしれないなと思う。改めて、辛い病気だと思う。

将棋で鬱になり、将棋で回復していく

 先崎さんにとって将棋は人生そのものと言っていいほど大切なものだと思う。しかし、その将棋の仕事で鬱になってしまったのもまた事実だ。っていうか、めちゃくちゃ働いてて凄まじい。僕はこんな風に生きることは絶対にできない。

 でも将棋の仕事で先崎さんは、うつ病になってしまった。好きなことならいくらでもできるって嘘だと思う。好きなことでもうつになりうる。

 けど泣けるのは、先崎さんが将棋でうつを回復していったことだ。将棋を指せるかどうかで自分の体調を測っていたところがあったと思う。出口が見えないようなうつ病で、これは非常に助けになるんじゃないかと思った。(専門でもなんでもないので、正確なことはわかりませんが)

 先崎さんにとって、将棋とは切っても切れない関係なんだろうと思う。好きという言葉が合っているかどうかはわからないけど、先崎さんは自分にとってなくてはならない将棋で回復していった。

 もし僕がうつ病になったら、そういうもので復活できるだろうか。僕は映画やゲームが好きだ。忙しくて映画やゲームに中々触れられない時、やっとのことでそれらに触れられた時はまさに生き返った心地になる。水を得た魚のように。

 だから僕は映画やゲームで楽しめなくなったらということを考えると、とても怖い。本当に何を頼りに生きていけばいいのかわからなくなる。僕にとっては映画やゲームはなくてはならない。ご飯のようなものだ。

 うつ病になったら、僕は映画やゲームに救われるのだろうか。っていうか、それしかないのではないだろうか。そう考えると、そういった心の支えになるものがあるというのはとても幸せなことだと思う。やっぱり大切にしていきたいし、どんなに忙しくてもこれだけは手放したくない。そんなことを思った。

最後に

 近年、心を病んでいる人が増えている。でも特効薬なんてない。散歩が良いとかそんな感じだ。そんな中で心の支えになるものは本当に大事だし、うつになる前でも大事にしていくべきだと思う。

 僕にとっては映画とゲームだけど、これらを奪われるような働き方や生き方は絶対にできない。おかしくなってしまう。だから改めて自分の大切なものを大事にしていきたいなと思った。ちゃんと生きるためにも。

 最後ですが、このような手記を執筆された先崎さんに敬意を表します。

 

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www.takoyaki-blog.com

 

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 今回は以上です。

ーそれでは、また。