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斬新なギャグ?歴史漫画!山田芳裕「へうげもの」感想!

 

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どうも、タコヤキです。
久しぶりに本当に読んでよかったなと思う漫画に出会いました!

それは「へうげもの」という歴史漫画。

 


読み終わった時は感無量でしばらくぼーっとしていましたよ。
こんなに中身が濃い漫画は久しくなかったです。
最高に「乙」な漫画でした。天晴れ。

 

基本情報

 『へうげもの
 作者:山田芳裕
 出版:モーニング
 巻数:1巻~25巻(完結) 文庫本は現在発刊中
 発表期間:2005年~2017年

 


簡単なあらすじ

 戦国時代に名将織田信長豊臣秀吉に仕えた古田織部を主人公として物語は進んでいく。戦国の世なので、合戦や戦の話が主題だと思われるが、本作は茶道や茶器や絵など美術や数奇がメインとして登場する。戦国の世でそれらの数奇や美術はどのような意味を持っていたのか、それらを愛するものたちは乱世にどのような想いを馳せていたのか。「へうげもの」とは武と数奇の狭間で葛藤する織部の物語であり、織部が何者かを描いた物語である。

 


へうげもの』の魅力
・数奇という切り口から描かれる歴史スペクタル
・現代にも通ずる日本人の精神性
・笑い、熱くなれ、泣けて、「乙」な漫画

 


どんな人にオススメ?
・歴史物が好きな人
・茶器とか好きな人(全然知らなくても楽しめます!)
・人間ドラマが好きな人

 


どんな漫画が好きな人にオススメ?
ヴィンランド・サガ
・ヘウレーカ
ヒストリエ

 


感想:ひょうげものよ永遠なれ!最高の「乙」な漫画でした。

 ぶっちゃけていうと、最高の漫画です。
 読み終わった後の喪失感がすごく、終わった寂しさが半端ありませんでした。
 内容もめっちゃ濃いし、現代社会にも繋がるテーマもあります。
 一言じゃ語れないほどの漫画です。大作。


 そもそも「へうげもの」とは?
 
 へうげものは「ひょうげもの」という意味です。
 んで、ひょうげものとは「ふざける」とかの意味です。
 
 主人公織部は武の人だったんですが、同時に数奇、茶碗や茶の湯愛する人間でもありました。乱世と自分より武人として各上の人間を見てきて、自分のあり方というものに疑いをもつようになります。今風にいうなら自分探し状態ですね。

 

 そんな中、千利休に出会い「わび」の極意を目の辺りにして、これが自分の生きる道だと思うに至り、その道をいこうとします。

 

 しかし、どんどんへんてこな「わび」の作法を追求してしまい、それも自分の本質ではないと気がつくようになります。宙ぶらりんになった織部ですが、織部の本質は千利休がよくしっていました。織部千利休切腹のときに、自分の本質を千利休より諭されます。これは本当に名シーンでしたね。

 

 そして自分の性、業をしった織部は「ひょうげもの」として「ひょうげ」を世に広めていこうとします。こんな感じで、へうげもの織部の物語であります。

 

 この漫画の面白いところはまず第一に織部が自分の本質に気がつくところまでのいきさつと千利休の「わび」と狂気。そして茶器や茶室の意味やそこでのやりとりが面白いです。茶を立てることは、何の意味があるのかわからないっていう人は多いと思いますけど、時代背景と合わせて、茶の湯はどんな意味があったのか、またはどんな目的で行われていたのかがなんとなくわかります。

 

 利休の「わび」に関しては、現代のミニマリストみたいな思想があると思いました。無駄なものを排し、欲望を断ち切るような思想。

 織部はそのようなミニマリスト的な利休のような思想や形式を引き継ぎつつ、己が欲望を追求するべしという感じの思想。こっちのほうが現代のミニマリストって感じですね。このあたりの思想の差も面白いと思います。クソ真面目の家康とかね。

(思想に関してはあくまで個人の感想です)

 

 基本的には織部の話なんですが、他の武将の生き様を描いており、その生き様は数奇やひょうげにもあらわしているのが「乙」なところ。

 個人的には石田三成の死に様が好きでした。明智も豊臣も織田も好きなんですけどね。(笑)

 

 

 物語の終盤では、年老い織部と家康は対極的に描かれていきますが、ここは泣けますね。

 クソ真面目な世の中にしようとしている家康とひょうげを広めたい織部は、相容れない水と油のような存在になっていきます。

 このあたりじっくりと語りたいものですがmネタバレは控えます!ぜひ、自分の目で確かめてください。

 二人のやり取りは物語として非常に感動的でした。終わり方も風情があって最高でした。笑いながら泣きそうになった漫画なんて「へうげもの」くらいじゃないでしょうか。

 

最後に

 うーん、語ることは多い漫画ですけど、いざ言葉にしようとこれほど感想を書くのが難しいとは思いませんでしたね、、、。

 「へうげもの」は歴史物として面白く、物語としても面白い。なおかつ斬新で現代にも通ずる日本人の精神性を描き、織部の生き様とひょうげを貫いた「乙」な漫画でした。この「乙」も漫画を読んだらわかりますので、ぜひ読んでみてください。

 

 実写化企画進行中らしいので、こちらも楽しみですね~。

 ひょうげは不滅で候。

 

 今回は以上です。

ーそれでは、また。