最後は切ない。サムソン高橋「世界一周ホモのたび 結」感想
どうも、タコヤキです。
最近映画少なめなんですが、本にどっぷりはまっているため許してください。
今回紹介するのはこちらの本です。
サムソン高橋さんの「世界一周ホモのたび 結」
何度かこのブログでも紹介しているシリーズの本なんですが、今回の「結」で完結となります。
その前に「世界一周ホモのたび 狂」というのがあります。
ブログでは1シリーズすっ飛ばしてしまいましたが、内容的には前のシリーズと似たような感じです。
なんですっ飛ばしたかっていうと、、、
単純に私の都合です
申し訳ないです。だって「結」のほうがブログ書きやすかったんだもん・・・。
シリーズ全て読みたい!っていう人は、
「結」の前に「狂」も読んでいきましょう。こちらからどうぞ~。
「狂」の紹介が終わったところですが、
今回のメインは「結」のほうです。
「世界一周ホモのたび 結」でひとまず、サムソンさんの旅は終わりを迎えます。
まぁ、その理由ってのがサムソンさんの金銭事情だったりするのですが、またリアルっていうか、生々しいですね。
どたばたで始まり、どたばたで終わるって感じです。
けど、ラストは寂しい感じがあります。
それは、将来永遠に付きまとうであろう孤独感。
最後にサムソンさんが、自分の心の奥底で感じていたことを書いているんですけど、これがとても辛いです。
旅の終わりにサムソンさんは、幸せそうなカップルだった人と会います。(そのカップルはもう一緒にはいないんだけど)
そこで語られる話と一緒に過ごした時間はサムソンさんにとっては辛く、眩しすぎるものでした。
お一人で、ハッテン場というアンダーなところで、心を満たしていたサムソンさん。
もしかしたらあったかもしれない、パートナーと共に歩く姿。
どれもがあまりにも眩しすぎる。
サムソンさんは自分は人生で辛いことから逃げて、ハッテン場という気軽に快楽を得られ、人生の困難から逃げることができると言っていました。
ハッテン場は自分にとって、シェルターのようなもので、子宮のように癒してくれる。サムソンさんにとっては大切な人生の避難所のようなものでした。
そして、これからも通い続けるだろうー、と。
こういうの見ると、どんな人にも避難所のような場所が本当に必要なんだろうな、って生意気ながら思いました。
どうしようもない孤独や困難に誰もが立ち向かっていけるほど、人間はみんな強い生き物ではないですし、それを苦にして自殺してしまう人もいるわけです。
立ち向かわなかったから、死ね。とかじゃなくて、心を休ませるような避難場所は誰もが欲しているんじゃないのかな。そこにLGBTもなにも関係はない気がする。
サムソンさんにとっては、それがたまたまハッテン場だったっていう話で。
僕にとっての避難場所は家でフィクションに浸かることだし。
多かれ少なかれ、みんなそのような避難場所を求めているところはあると思う。
終わりに
人生のあらゆる困難から逃げたとサムソンさんはおっしゃっていますが、そのおかげでこのシリーズの本が発売されているので、決して無価値ではないと思うんですよね。
事実クレイジージャーニーにも出てたし、立ち向かわなければ価値はないなんてことは決してないと思います。
そういった意味では、サムソンさんの不屈の精神と自身の弱いところが合わせあったところを描いているこの本は、やっぱりただの旅行コラムでもなければ、ゲイの面白話だけにも留まらない。
このシリーズは、サムソンさんの人生の旅行記。そんな感じがした。
サムソンさんは、最近では家を買ったり、LGBTの方と同居したりしているらしいです。本当に不屈な方だなぁ。
「世界一周ホモのたび」を最初から読みたい方はこちらからどうぞ!
「無印→DX→祭→狂→結」
の順番です。
今回は以上です。
ーそれでは、また。