パレスチナの幼馴染達の悲劇。映画「オマールの壁」感想
どうも、タコヤキです。
久々の映画感想です。
今回は「オマールの壁」という映画を見ました。
歴史的要素が強い映画ですので、事前にちょろっとリサーチして見たほうが楽しめると思います。臨場感が素晴らしい映画ですので、事前に歴史背景を知ってより映画に没頭しましょう。
基本情報
「オマール壁」
監督:ハニ・アブ・アサド
脚本:ハニ・アブ・アサド
製作:ハニ・アブ・アサド
ワリード・ズエイター
デヴィッド・ガーソン
上映時間:96分
公開日:2016年4月
簡単なあらすじ
ここはパレスチナ自治区ー。パレスチナの青年オマールは、幼馴染のタレク、アムシャドたちと巨大な壁を毎日登り、イスラエル政府軍に対抗する射撃訓練をしたりしていた。ある日、イスラエル兵から嫌がらせを受け、オマールは反発して秘密警察につかまってしまう。懲役90年を言い渡されたオマールは絶望するが、そこで捜査官ラミからある取引を持ちかけられるー。
「オマールの壁」の見所
・凄まじい臨場感
・若者たちの悲劇
・歴史的な要素が強い
こんな人にオススメ!
・戦後の話とか好きな人
・臨場感がある映画が好きな人
・歴史的背景がある映画が好きな人
こんな人には向いてないかも
・暗い話が苦手な人
・歴史嫌いな人
こんな作品が好きな人にオススメ!
・ある戦争
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・ミスティック・リバー
・裏切りのサーカス
感想:凄まじい臨場感と若者たちの悲劇
始めに言っておきますが、これは戦争映画ではありません。
歴史的なヒューマンドラマです。
しかし、ヒューマンドラマといってもハッピーエンドなんかではなかったです。ただただ悲しい映画でした。
イスラエル軍に占領されたパレスチナ。そこには大きな壁があって、秘密警察がいます。パレスチナの若者たちは秘密警察に当然の如く反発心を抱き、仲間と団結しようとします。
恐ろしいのは秘密警察と若者たちを騙して利益を得ようとする人達。
彼らは若者から無慈悲に青春のあらゆるものを奪っていきます。友情や愛情も。
この映画は実際にパレスチナで撮影し、パレスチナの若者が役を演じています。そのせいか、作品全体の緊張感と雰囲気が他の映画とは全然違います。
登場人物達の演技もすごいです。主人公が彼女と再会して会話するシーンの表情は胸に刺さる。
全体的に舞台背景や役者の設定が細かです。
役者といい、舞台といい、ありとあらゆる要素が絡み、相乗効果で臨場感が現れています。この映画の見所の一つは間違いなく臨場感です。話自体も面白いところはありますが、この臨場感だけは他の映画にはありません。必見です。
シナリオに関してはすべて見終わると、やっぱり悲しいです。
最初仲が良かった3人がどんどん疑心暗鬼になっていき、オマールは信じてたものは無慈悲に踏み潰され、彼女とも添い遂げられない。
若者の青春をすべて力で踏みにじられたわけですからね。
見ていて悲しくならないはずがないんですよ。
ラストシーンはオマールたちに怒りが結晶化したものだと思っています。
この弾丸を本当は誰にぶつければいいのか。
明確な答えを出せる人間はいるのでしょうかー。
今回は以上です。
-それでは、また。