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現代に生きる日本人必読書!波頭亮「AIとBIはいかに人間を変えるか」感想

 

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 どうも、タコヤキです。
 さて、またまた書評ですが、これまた勉強になる本でした。

 

 波頭亮さんの「AIとBIはいかに人間を変えるか」です。

 

 

 AIは人工知能、BIはベーシックインカムですね。AIはアルファ碁で話題になり、ベーシックインカム希望の党が公約に入れたことで、話題になりました。

 

 この本はAIの進化に合わせて、BIの必要性を詳しく論理的に書いてます。

 AIとBIの入門書として最適だけでなく、現状の日本の社会制度の問題点も分かりやすく書かれていますので、とてもオススメです。

 


AIの進化と得意なこと

 この本ではまずAIの進化の過程やAIの得意なことについて書いてありました。

 

 AIの進化の過程を改めてみると、歴史的にはそこそこ古いところからあり、機械学習からディープランニングまでわかりやすく解説されていました。
 (ぶっちゃけ僕は、機械学習とディープランニングはふんわりとしか知りませんでしたが、この本では、とても分かりやすく解説されています。)

 

 それらのことを知ると、AIの進化による失業はほぼ確定路線だと思います。
 AIによる大きな革命は免れないです。

 

 これを歴史的に分析しているところがとても面白いし、参考になりました。
 産業革命で力が必要になる仕事が蒸気や電気で人の仕事から代替されてきました。AIもこれと同じようになると想像できます。

 

 ここで重要なのが蒸気や電気は汎用性が強いことです。
 ありとあらゆる場面で蒸気や電気の技術が使われているのは、周知の事実。

 

 今のAIはアルファ碁のように特化型が多く、汎用的ではありません。

 特化型は弁護士や会計士、医者の診断のようにAIの得意な分野から仕事を奪っていきます。

 

 これは学力や論理性がどうのこうのよりも、AIの得意な能力と親和性があるかどうかです。


 このように産業革命で、ブルーカラーの力が必要とされる仕事が機械で代替されたように、知能労働も代替されていく、と考えたら想像しやすいかと思います。

 
 今現在人の仕事は減っていってますが、これからもっと仕事の絶対数は減ると思います。

 

 新たな仕事が生まれる可能性もありますが、AIやロボットを所有する人(資本家や経営者)が独占していくという状況になる可能性もあります。一番恐ろしいのは格差で、富の偏在です。一部の人に富が集中すると、全体の経済は失墜します。(購買力が全体で落ちるため)

 

 AIのテクノロジーは確かに人類を進歩させ、生産性をあげますが、既存の社会システムでは確実に大きな歪みを生みます。場合によっては取り返しのつかないことになるかもしれません。

 

 こんな感じでAIの進化と仕事や社会に与える影響をこの本では前半に書いています。

 

 AIとはどんなものか今一度理解するのは、今後の時代に必須だと思います。自分の仕事ややりたいことを見直すためにも。

 


日本の社会保障ベーシックインカム

 

 さて、ここでベーシックインカムの話が出るわけです。

 

 ベーシックインカムとはなんぞや?という人はこちらの記事も読んでみて下さい。基本的に知っている前提で書きます。(後日リライト予定)

 

www.takoyaki-blog.com

 

 

 ベーシックインカムと日本は個人的に相性が良いし、日本の財政を考えても実行に移していくのはベターだと思っています。

 

 まず日本の社会保障ですが、制度がものすごく複雑で、多岐に渡っています。ベーシックインカムは、その複雑な制度を一元化できるのが非常に大きい。

 

 さらに、日本の社会保障には大きな問題も抱えてます。

 最後の砦であるセーフティネット生活保護

 

 生活保護というと、不正受給の話とかでずるい、などというイメージを持たれる人もいるかと思います。

 

 しかし、不正受給は全体の1%もいないです。それよりも受給資格があるにも関わらず、全体の80%の人間は生活保護を受けれないという側面があります。

 

 僕はこの事実をこの本で知りましたが、衝撃的でした。


 不正受給はメチャクチャ少ないのは知っていましたが、受給資格がある人の内の20%しか受給されていないことは知りませんでした。

 

 これは、役所の水際作戦や役人の恣意的な判断によるところがあります。

 

 こういった話から、現状生活保護制度は貰える人が貰えたり、貰えない人が貰ってたりと、不公平であやふやな制度だということがわかります。

 

 この点、ベーシックインカムなら全員一律なので公平です。

 

 このような点から日本はベーシックインカムの導入するに十分な理由があります。

 

 生活保護の理由以外にも、日本のジニ係数相対貧困率など様々な理由で、ベーシックインカムによる再分配が、日本の現状の対策案として優れていると僕は思います。


 この本は、上記のような日本の社会保障の問題点を具体的な数字を示しながら、論じているので非常に理解しやすいです。

 

 また、ベーシックインカムの財源の問題にもこの本でメスを入れています。これも具体的な数字が示されているので、納得がいきやすいはずです。

 

ベーシックインカムが最適解

 ここまで述べたところで、僕は将来的にはベーシックインカムが最適解だと確信しました。

 

 ですが、ベーシックインカムを実現するには日本の労働信仰や既得権益などと、人間的な問題がネックだと思っています。

 

 AIによって仕事が奪われるという、ネガティブなものではなく、ポジティブに受け入れて、軋轢を少なくAIとBIで人類が新たなステージに進んでいってほしいと心から願いたいものです。


 この本は日本の社会保障の問題、AIの進化から起こりうるシナリオ、その最適な答えがベーシックインカムであるということを示しています。

 

 AIとBIが創り出す新しい世界に緩やかに突入するためにも、その概要の入門本となりうるこの本は、是非とも多くの人に読んで貰いたいです。

 


 今回は以上です。
ーそれでは、また。