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村上龍の小説「69 sixty nine」を読んだので感想

 

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  どうも、タコヤキです。
  またまた書評です。さすがにそろそろ映画の感想を書きたくなってきた・・・。

 

 

 今回は村上龍さんの「69 sixty nineという小説です。別に卑猥な意味じゃないです、1969年という意味です。(友達に紹介しづらいww)


 とても読みやすく、ページ数も少ないので読書が苦手な方でもスラスラストレスなく読めると思います。

 

 ぶっちゃけ、内容自体も全然難しくありません。映画でいったら「アメリカン・グラフィティ」みたいな感じでした。最後に同級生が将来どうなったかが、淡々と描かれてるところとか。失われた青春的なやつ。

 

 内容は70年近く、学生運動とかが盛んだった時代です。これは、作者の自伝を元にした青春小説となっています。しっかし、この時代は色々と強烈ですね~。僕は生きてないからわかんないけど。

 

 いつもの村上龍はえらい作風が違いますね。とにかく明るくて楽しい青春小説でした。笑いあり、苦味あり、馬鹿あり、恋あり、不良ありのザ・青春です。
(今の子にはピンとこないと思いますが)

 

 ただ、単純にはっちゃけた小説ではなく、最終的に作者の強い決意を感じられたのがぐっときました。

 

 画一的に、僕らを楽に支配したがる大人に対する唯一の反抗は、大人達に理解出来ないようなことで僕らの楽しい笑い声を聞かせてやる。

 

 これには胸をぎゅっと摑まされましたね。痺れるセリフでした。

 

 この頃の教育って、「僕らの7日間戦争」とかでも見たけど、体罰とか教師の権力が凄まじく描かれているんですよね。

 

 それらの強圧的な力に対する子供らの必死の抵抗があらゆるところに現れていて、微笑ましいんですよね。

 

 意味も分からないのにドストエフスキーとかカミュとかチェーホフとか読んだり、クラシックとかを絶賛したり。大人達の言うことを素直に聞いて、選別され、家畜のように扱われることに対して、必死に抵抗しているんですよ。大人達が知らないような文学や音楽を崇拝して。

 

 そんな青春が終わり、各々が自分の道を選択して生きていってるのは、祭りの後の静けさのようでどこか寂しい。こういうところも「アメリカン・グラフィティ」っぽい。

 それでも僕らの楽しく生きるって戦いは終わってないです。どこか心の中でくすぶっている。そんな気がしてならない。

 

 この小説は笑えるものですが、楽しく生きてやるっていう強い決意も感じられる小説でした。

 

 今一度青春の感覚や、楽しさを取り戻したい大人!
 ぜひ、騙されたと思ってこの小説を読んでみてください。

 

 

こんな作品が好きな方にはオススメです。↓

・僕らの7日間戦争

アメリカン・グラフィティ

 

今回は以上です。
ーそれでは、また。