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努力は無駄?行動遺伝学の本を読んだので書評

 

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 どうも、タコヤキです。
 今回はかなりマジメ?な本を読みました。

 

 行動遺伝学の本、「日本人の9割が知らない遺伝の真実」という本を読みました。

 

 

 色々と衝撃的な本ですよ、これ。

 かなり面白かったです。


 内容はズバリ遺伝のことなんですが、ある人たちにとっては受け止めずらい遺伝の真実が語られます。

 

 この本を読んだら今までの人の在り方や社会の仕組みを根本から見直さなければならないと感じるはずです。

 

 

一度頭を真っ白にして読むことを推奨します。以下、僕の素直な感想です。
ネタバレ御法度!という方はご控えを。

 

遺伝の真実

 本を読めば分かりますが、かなり衝撃的な事実。

 その事実とは

 

人の能力の8割は遺伝と環境できまり、その半分以上が遺伝で決定する。

 

 この人の能力は能力によって遺伝の影響が強かったり、そこまでだったりするものがあります。

 

 例えば音楽や運動能力に関しては8割以上が遺伝で決定します。
 これに関しては、まぁ仕方ないかな?と思う人も多いと思います。

 
 音楽家やスポーツ選手は努力してなれるものじゃないですからね・・・。

 

 驚くべきは知能に関すること。


 なんと知能に関しても遺伝の影響が大きいとのことです。

 

 特に数学に関しては音楽や運動と同じくらい、遺伝で数学能力が決まってしまうらしいのです。

 

環境について

 遺伝以外にも人の能力に影響するものがあります。それは環境です。

 エリートや本をよく読み、知的好奇心が高い親を持つと、その子供も賢い子になるという話。

 

 ここにも驚くべき事実があります。

 

 環境の影響は子供の頃には確かに影響力が大きいが、大人になるにつれ環境よりも遺伝の影響が大きいのです! (詳しい理由は本を読んでください。書くと超長いので汗)

 

これは意外でびっくり!

 

 大人のほうが環境の影響が強いと思っていましたが、大人になるにつれ遺伝と特質がはっきりと現れるということになります。
 
 つまり、エリート教育を施してもうまく大人になってからも知能が発揮されるというわけではないということです。

 

 「子供の頃は優秀だったが、今は・・・」なんて、話よくききますね。
 大人のADHDなんてのも遺伝の影響だと考えると納得しちゃったりします。

 

努力は無駄なのか?

 ほとんどが遺伝と環境で能力が決定するというと、努力なんて無駄ではないかと思う人も多いと思います。

 

 しかし、世の中には知っているだけで得する、生きやすくなるというものがあります。社会制度や支援制度、福祉などがそうです。

 

 こういったことをしっかりと情報収集できるように努力していけば、個人として生存率を高めることができます。そういう意味の努力では、一概に努力は無駄であるとはいえないところもあるでしょう。

 

 しかし、努力すれば誰でもお金もちになれるとか、成功するとかは難しいと思います。

 

 今の時代は、基本的には知能が高い人が年収も立場も高いという社会です。この本にも遺伝が年収に影響するというのも少なからずあります。(これ、さりげないですがかなりショックですよね・・・)

 

 そういった社会では知能が高い遺伝を保有している人のほうが明かに有利ですし、資本主義の視点から見ると資産の格差も発生するので、とてもじゃないですがフェアとはいえない状態だと思います。

 

 だからといって、今の社会構造を1から作り直したりするのはナンセンスです。遺伝に文句もなにも言いようがないですから。さらに、資本主義のシステムもなんだかんだいっても現状では一番ベターなシステムです。技術も向上するし。
 
 これから重要なのは、生存権が約束されたセーフティネットと社会的立場が弱い人達への支援だと思います。
 
 ダイバーシティや多様性という言葉が普及してきたように、多様な遺伝子を包括していくことが僕は重要だと思います。知能は低くとも芸術的な才能があったり、共感性があったりと、人間には様々な才能があります。

 

 それを、知能が高くないと社会からはじかれたりして、才能を失ってしまうのはとてももったいないことだと思います。人類としても知能が高い人だけがいる社会というのは、一枚岩で脆弱だと思います。多様性こそが人類の強みの一つですよ。

 

 少し話しがずれました。

 知能が低いのが遺伝や環境の要因が大きいのだとしたら、勉強すれば貧困から抜け出せる、自己責任だというのはかなりナンセンスなことです。

 

 自己責任論を声高らかに叫ぶよりも、この衝撃的な遺伝の事実を受け止めて、社会が再構築されていってほしいものです。

 技術はかなり発展しているのだから、そろそろそういった社会が到来してもよいと思うんだけどなぁ・・・。

 

 行動遺伝学の本は衝撃的で面白いですし、今後の社会のことを考えるにも参考になります。さらには人間というものをよく知るためにも参考になる本です。気になる人はぜひ読んでみてください。

 

 今回は以上です。

ーそれでは、また。