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もはや芸術!古典風なコメディ映画『グランド・ブタペスト・ホテル』感想!

 

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 どうも、タコヤキです。
 今回はNetflixでは配信されていない作品です。
 ジャンルはコメディドラマらしいですが、何故かツタヤではミステリーの棚に置かれていました。何故?(笑)

 その映画は『グランド・ブタペスト・ホテル』です。


 

 最初は画像的に群像劇なのかと思っていましたが、普通にドラマですね。回想劇みたいな。しかし、ちょっと変わったカメラのとり方で、コメディと社会風刺とプラスアルファが加わった芸術のような映画でした。


基本情報

『グランド・ブタペスト・ホテル』
 監督:ウェス・アンダーソン
 脚本:ウェス・アンダーソン
 製作:ウェス・アンダーソン
    スコット・ルーディン
 出演者:レイフ・ファインズ
     F・マーリー・エイブラハム
     マチュー・アマルリック
     エイドリアン・ブロディ
     ウィレム・デフォー
     レア・セドゥ
上映時間:100分
公開日:2014年


簡単なあらすじ

 移民から大富豪になったゼロ・ムスタファ。誰よりも孤独感を漂わせるゼロ。ゼロの謎めいた素性に興味を持った作家は、ゼロとのディナーで彼の過去話を聞く。
 1932年、ゼロは名高いコンシェルジュ:グスタヴ・Hの元でベルボーイとしてグランド・ブタペスト・ホテルで働いていた。そこで語られるゼロとグスタヴの過去とはー。


『グランド・ブタペスト・ホテル』の見所
・コメディタッチ風の社会風刺
・特殊なカメラ回しとカット
・他の映画には見ない映画
 

 

こんな人にオススメ!
・社会風刺ものが好きな人
チャップリンが好きな人

 


こんな人にはオススメできないかも・・・
・社会風刺ものが苦手な人
・ミステリー的?なシナリオを求めている人

 


こんな作品が好きな人にオススメ!
・「モダン・タイムズ」
・「ファントム・オブ・パラダイス
・「キング・オブ・コメディ」
(選ぶの超難しいわ・・・)


感想:様々な要素を絡ませた複雑で芸術的な映画

 豪華なホテルを舞台にゼロが大富豪になった物語が中心ですが、これがコメディタッチながらも密度が非常に濃い映画となっています。

 

 見た目は豪華でコメディ的なんですが、内容は非常に切なく、世の中の無常さを現した悲しい作品です。

 

 ひとつひとつのカットが絵のように正面から捕らえるものや全体を写しているものが多いので、まるで絵本を見ているかのような錯覚に陥るのもこの映画の特色のひとつです。これは他の映画では見ない手法ですので、斬新な映像でした。

 

 舞台となるホテルは豪華で美味しそうなお菓子もあって、本当に絵本のような世界。
 しかし、ゼロの語る物語にはその豪華さとは反対に社会の暗い部分が隠れています。

 

 このグランドブタペストホテルはどうやらファシストたちの手に堕ちてしまったようで、その影響の影が作中でもしっかりと描かれています。最初はグスタヴとゼロがホテルでドタバタして、財産の相続とかで争ったり、捕まったり脱獄したりでまさにコメディ的なノリで話が進んでいきます。
 
 ここまでは昔のホームドラマコメディみたいな感じなんですが、最後あたりで少し雰囲気が変わってきます。

 

 戦争の影響で失われていくものや、奪われたもの。流行病で死んでしまう親しい人があっさりと描かれていく。前半のコメディ要素が夢だったように語られていシーンは空虚感が漂った。
 
 この「グランド・ブタペスト・ホテル」という映画は、ただのコメディでもなければ単なる社会風刺でもないように僕は感じました。


 そびえたつ豪華なホテルは本当に絵本にでてくる夢のようなホテル。ですが、ゼロにとっては本当に夢のように儚いホテルです。。。

 時代や国家の暴力の裏側でそんなゼロの充実して楽しい日々があったということを考えると非常に悲しく、寂しい物語でもあると感じられます。

 

 「グランド・ブタペスト・ホテルは」コメディ的要素と社会的要素が絡み合い、なおかつゼロの人生の寂しさやノスタルジアを感じさせるような不思議な作品でした。
 単純な単一のテーマで終わらせず、様々な要素と複雑性が絡んでいる本作はもはやアートの域に達しているもの。まさに天才的な映画だと思います。

 

 今回は以上です。

 -それでは、また。