近未来恋愛映画?「her/世界でひとつだけの彼女」感想
どうも、タコヤキです。
今回はちょっと変わったSF恋愛映画と呼べるような映画を見ました。
それは、これ。「her/世界でひとつだけの彼女」です。
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感想は一言でいうと・・・「非常にエモいSF映画」
基本情報
「her/世界でひとつだけの彼女」
監督:スパイク・ジョーンズ
製作:ミーガン・エリソン
出演者:ホアキン・フェニックス
エイミー・アダムス
ルーニー・マーラー
オリヴィア・ワイルド
スカーレット・ヨハンソン
音楽:アーケード・ファイア
上映時間:120分
公開日:2014年
簡単なあらすじ
舞台は近未来のロサンゼルス。代筆ライターを生業としている主人公セオドアは、妻のキャサリンと別れ孤独な日々を過ごしていた。そんなある日、人工知能搭載型OS・オマンサを手にいれてから、セオドアの生活は一変する。セオドアは除々にOSのオマンサに心惹かれていくが・・・
her/世界でひとつだけの彼女の見所
・哲学的なSF
・奥深いシナリオ
・近未来感が実感できるところ
どんな人にオススメ?
・哲学的な話が好きな人
・人口知能といった近未来の話が好きな人
・趣のあるSF映画が好きな人
逆にどんな人にオススメできない?
・スターウォーズ的なものを求めている人
・人工知能に恋とか生理的に無理な人
どんな作品が好きな人にオススメ?
・エクス・マキナ
・エイリアン・コヴェナント
・エターナル・サンシャイン
感想:語るところが多い力作(ネタバレあり)
これはかなりの良作SF映画でしたね。
近未来感が10年後とかに本当にありそうで、ワクワクする。
ボイスチャットやホログラム。VRや拡張現実。SFが好きな人にとっては背景を見ているだけで、それなりに楽しめると思いますよ!
しかし、やっぱりこの映画の需要なところはシナリオ。
非常に哲学的で、エモい内容となっています。
恋愛的なものよりも重要なのが、人間とAIの違い。そして両者が与えるもの。
例えば、主人公はAIに心惹かれていくのは孤独感からでありますが、はやり身体を持たないAIとはどこかずれを感じる。知能や感情は十分優秀に育っているAIですが、はやり肉体という人間特有のもののを持っているかないかの差は大きい。どうしてもそこで軋轢が起きてしまう。
この映画はそのようにAIと人間との違いを描いている側面があります。むしろそっちのほうが重要かなと僕は思っています。
この映画の搭載型人工知能のオマンサは常に知識を吸収し、進化していきます。オマンサが主人公以外の人と恋人となったのも、オマンサというOSの進化です。オマンサはあくまで商品であるため、ニーズに合わせてオマンサは変化していきます。そのように多くの不特定多数の人間と触れることで、オマンサはニーズに最適な状態とアップデートされていったのです。
主人公が好きだったオマンサは実は古くなってしまったのです。アップデートされるたびにオマンサは変化していき、やがては姿も変えてしまいます。オマンサは悲しいですが、商品なのです。
一方主人公は人間です。彼は妻、キャサリンを失ってから何一つ進歩せず、停滞し、孤独な時間を過ごしていました。これは作中でも分かるように、リアルな人間世界と向き合えず、その孤独感からオマンサに心を寄せていきます。しかし、現実の彼はどこも進歩せず、オマンサにように変化もアップデートもありませんでした。
人間はAIと違い、停滞することも許される存在です。あるいは停滞が可能な存在。しかし、AIには停滞というものはありません。もしかしたら、オマンサはそういったものに興味を抱いたかもしれませんね・・・。
主人公の話に戻ると、主人公はラストシーン付近でキャサリンに初めてしっかりと向き合い謝罪の手紙を書いています。これはようやく主人公が変わり始めたことであり、ようやく変化しアップデートされたのだと思ます。それと同時にオマンサも。
常に変化するオマンサと触れ合い、別れることで、主人公が成長した。
そして、そのオマンサは消えてしまった。そして、オマンサも成長していく。
あぁ、なんてエモいシナリオなんだろう!
AIが人間を変化させ、アップデートするための役割を持った存在だとしたら、オマンサという存在は主人公を前へ進ませるための存在だった!
そして、その役目を終えたらオマンサは消えて進化していってしまった。
そして残されたが前へ進んだ主人公とエイミー。ゆっくりと陽が沈み、朝日が昇るのは彼らの成長を祝福しているようです。
陽が沈み、朝日が昇るという時の流れが人を進歩させてきたというなら、AIもその時の流れのように自然に人を前進させてくれる存在なのかもしれません。そして人もAIを進化させていくのかもしれません。
人間とAI、両者はお互いに無くてはならない存在となるのかもしれません。
なんか、僕の妄想まがいなところがありますが、そのようなことを思いました。
これから来るAI時代に見ておきたい1作。
現代社会で必須の1本だと思います。ぜひ見て下さい。
今回は以上です。
ーそれでは、また。