まさかのラスト!セルジオ・コルブッチ監督、異色西部劇映画「殺しが静かにやってくる」感想
どうも、タコヤキです。
これまた渋い映画を見ました。「殺しが静かにやってくる」です!
ブルーレイ安いですね・・・。
渋さだけでなく、オチも驚き!
これは異色の西部劇ですよ・・・。
感想を一言でいうと・・・「えっ、マジでこれで終わり?」
基本情報
「殺しが静かにやってくる」
監督:セルジオ・コルブッチ
脚本:マリオ・アメンドラ
ブルーノ・コルブッチ
出演者:ジャン=ルイ・トラティニャン (すげー名前・・・)
クラウス・キンスキー
音楽:エンニオ・オリコーネ
上映時間:105分
すさまじい暴力描写で、数カ国で上映禁止になったとか・・・
簡単なあらすじ
西部の町スノーヒルは、悪徳判事ポリカットと多くの無法者を束ねるロコに支配されていた。
そんな街でロコ一味に夫を殺されたポーリーンは、ある男に復讐を依頼する。その男は過去に無法者集団に親を殺されたあげく、声帯を切り取られ、声を失ったことから”サイレンス”と呼ばれていた。サイレンスはポーリーンの依頼を受け、無法者達と戦っていくのだが・・・。
「殺しが静かにやってくる」の見所
・あっと驚くラスト
・渋い西部劇
・主人公が一切しゃべらない(しゃべれない)
どんな人にオススメ?
・西部劇が好きな人
・あっと驚くストーリーが好きな人
・暴力映画とか好きな人
逆にどんな人には勧められない?
・暴力映画が苦手な人
・ハッピーエンドが好きな人
どんな作品が好きな人にお勧め?
・ワイルド・バンチ
・わらの犬
・夕陽のガンマン
感想:なんだこの終わり方は・・・(だが名作)
ネタバレは控えますが、非常に驚く終わり方でした。
「これでいいのかよっ!」って絶対なります。
正直、見終わった後はモヤモヤした気持ちになりましたが、少し時が経って思い返してみると、すげー名作だったなぁと思うように至りました。
全体的にメチャクチャ痛々しい映画です。主人公のサイレンスの声帯が切り取られた後なんか、生々しいし、殺しも半端じゃない。指は吹っ飛ぶし・・・。
結構暴力的なので、人によってはきついと感じる人もいるかもしれません。グロイとかじゃないんだけど・・・。
役者のチョイスが素晴らしいですね。サイレンスは文句なしにかっこいいし、悪役のロコは完全にハマリ役!この人を見ているだけでも楽しいと感じるほど。悪役のために生まれてきたんじゃないかと思うレベルでした。
特筆すべきはやはり、ラスト!本当に衝撃的なラストでした。映画的にこれはどうなんだよ!って叫びたくなるレベル。「ミスト」見終わった時と同じような感覚だと思います。
正直ラスト以外は少し暴力要素強めの西部劇って感じなんですけど、ラストで本当に全てをもっていかれる。パワフルかつダーク、そして悲しさもあって、鑑賞後はいたたまれない気持ちになる。
おそらくこれは当時の社会への警鐘という意味もあったんでしょうね。暗殺されたキング牧師に捧げると言っていましたし・・・。
肌の色。権力。理不尽な暴力。それらによって、無慈悲に殺される者。差別される者。 絶対的な権力や暴力の中では、どれだけ強くても愛があっても、虫けらみたいに踏み潰されてしまう。やられた側は無念と怒りしかない。絶望すら生ぬるい。
強者側か弱者側なのか。そういった世界にならないように願った上で、あえてこんな残酷な物語にしたのかもしれませんね・・・。
社会的な強いメッセージを含め、パワフルかつ悲しい物語。
西部劇の枠を飛び越え、強烈な作品でした。ぜひ見てみてください。
今回は以上です。
-それでは、また。