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信念と正義が歪む。戦争裁判を描いた映画、「ある戦争」感想

 


どうも、タコヤキです。
先日ツタヤで新作のDVD借りてきました。2017で見たかった映画たちです。

 

1本目はこれ。


「ある戦争」

 


 ゲームデザイナーの小島秀夫監督がコメントしていて、気になっていました。
上映館が少なくて、行けなかったんですよ・・・

 


かなりデリケートで深刻なテーマを描いているので、見て楽しいという感じの映画ではありません。

 

・基本情報

 「ある戦争」

 監督:トビアス・リンホルム

 出演者:ピルウ・アズベック ソーレン・マリン

 製作国:デンマーク

 公開日:2015年

 上映時間:115分

 アカデミー賞外国語映画賞のノミネート

  •       

 

・簡単なあらすじ

内容は戦争もので、戦争裁判を描いています。アフガニスタンでのタリバンと戦いながら市民を守るデンマーク軍のとある中隊の物語です。
味方を守るために空爆を支持した隊長の行為が国際法的に問題視され、裁判にかけられてしまう、、、という話

 


この映画の見どころ
・正解がなく、胸に楔を打ち込まれるかのような問題提起
・見終わった後にスッキリとは絶対にならないストーリー

 

 

ある戦争はどんな人にオススメか
・ドキュメント映画が好きな人
・社会派の映画が好きな人

 


どんな人に勧められないか
・重い話が苦手な人
・戦争映画が苦手な人

 


どんな作品が好きな人にオススメか
・ハクソーリッジ
戦場のメリークリスマス
サウルの息子

 

シナリオに関して

 

 戦争映画は基本的には凄惨で、目を背けたくなる映像作品が多いですが、この「ある戦争」はそれとはちょっと毛色が違います。
 仲間を守るために、爆撃支援を要請した隊長。なんとか仲間は救出したが、その要請した爆撃によって罪のない民間人、しかも子供の命を含む人の命が10人以上も失われてしまいます。

 主人公の隊長も人の親。自分の子供は安心な場所で暮らしているが、この戦場ではそうもいかない。常に命がさらされて、いつ死んでもおかしくない状況。
 それでも人の命に差はなく、ただ不運な子供の命が奪われる。
 
 主人公は仲間を救うために、故意ではないとしても子供の命を奪ってしまう命令を出しました。仲間たちは隊長に感謝と畏敬の念を抱き、隊長の妻と子も隊長の帰りを願っている。

 しかし、それでも隊長の罪悪感と背負ってしまった十字架は消えることなく、隊長の心に残され続ける。


 それは、観客の心にも同じように心に楔が打ち込まれるような感覚だ。
 このような戦争映画は稀に見るものでありながらも、心を揺さぶる作品である。
 正解はなく、ただ見るものの心に毒を流すような映画であった。

 

最後に

 この映画は戦争の悲惨さよりも倫理観や正義感に関して、観客に問いかける非常にデリケートな映画です。

 果たして観客は隊長を見てどのような想いを抱くのか、まさに問いかけてくる映画でした。