神秘的な映像美!「ドライヴ」のニコラス監督による映画、「オンリー・ゴッド」感想
どうも、タコヤキです。
今日はちょっとマイナーな映画の感想をしていきます。
ニコラス・ウィンディング・レフン監督による「オンリー・ゴッド」です。
ニコラス監督は「ドライヴ」が有名です。最新作では2017年に「ネオン・デーモン」が公開されました。色彩のコントラスト(赤と青など)の強い独特な映像センスを持つ監督です。
「オンリー・ゴッド」でも赤と青のコントラストがすごいです。今で言ったら、「ブレードランナー2049」と似た感じ。
ちなみに視覚障害で中間色が見えないらしいです。
基本情報
「オンリー・ゴッド」
監督:ニコラス・ウィンディング・レフン
主演:ライアン・コズリング クリスティン・スコット・トーマス
上映時間:90分
公開日:2014年(日本)
カンヌ国際映画祭で出品(惜しくも賞は逃す)
あらすじ
主人公(ライアン・コズリング)は表向きはボクシングジムの経営者だが、裏では母親が運営する麻薬売買の商売をしている。ある時、東洋人に兄が殺されたという知らせをうける。兄の行ったことを知った主人公は殺した東洋人を見逃すが、母親はそれを許そうとしなかった。母親は主人公に兄を殺した東洋人の殺害を命じる。
「オンリー・ゴッド」はどんな人にオススメ?
・神秘的な映画が好きな人
・考察が捗るような映画が好きな人
・情緒的な映画が好きな人
逆にどんな人に勧められない?
・シンプルなストーリーを求めている人
・暴力的なシーンが生理的に無理な人
どんな作品が好きな人にオススメ?
・「ネオン・デーモン」
・「ドライヴ」
・「ブレードランナー2049」
ブレードランナー2049の感想はこちらからどうぞ
(ここから先ネタバレあり)
シナリオについて
「オンリー・ゴッド」はセリフが少なく、映像で語ってくるのような映画です。
まずはシナリオですが、ネタバレをしない程度にあらすじをチェックしておいたほうが飲み込みやすいでしょう。
テーマとしては罪と罰を意識していると自分は思っています。
主人公は極度のマザー・コンプレックスであり、実の父親をその手で殴り殺しています。 その影響からか両手を縄で縛っているシーンがあります。
また、母親の悪口を言われるとすごい怒ります。「パーティーの服を脱げ」って切れたときですね。
そんな主人公が兄を殺した東洋人を探しにいくのですが、その東洋人はメチャクチャ強いです。かなう奴が誰もいません。
この東洋人は主人公の兄以外にも人を殺していますが、その殺しはある法則があります。
東洋人が殺した人物
・冒頭で腕切られたやつ⇒その手で人を殺した腕
・油ぶっかけた奴⇒そのままぶった切られ、殺される。
・拷問された奴⇒役に立たない目や耳を潰される。
この東洋人は罪だと思われる部位を意図的に切り落としているように思えます。
つまりは、罪を切る人物で、罪を裁く人物だと認識していいと思います。
これがラストシーンの謎を解く鍵になります。
ラストシーンは主人公が東洋人に両腕を差し出し、東洋人が刀を振り下ろそうとするシーンがあります。
これは父親を殺した腕で、罪にまみれている腕だから、罪を落とす意味で自ら差し出したという意味だと思います。
そして、誰もが生理的嫌悪感を覚えたであろう、死んだ母親に腕を突っ込むシーン。
これは一体なんだったのか?
これは自分の推測ですが、主人公の腕は父親を殺した罪深い腕ですが、母親から貰った唯一無二の腕です。その罪深く、愛おしい腕をこれから切り落としにいくのです。
切り落とす前に、母親のぬくもりを感じたく、腕を母親の腹の中に突っ込んだのかもしれません。そう考えると凄まじい愛であり、コンプレックスです。
よく考えられて作られているなぁ、と思う映画です。
まとめ
「オンリー・ゴッド」はどんな人でも楽しめるという映画ではありませんが、独特な映画技法とメタファー的なシナリオはコアな人にとっては面白いと感じられるものだと思います。
ネットフリックスでも配信されているので、ぜひ見てみてください。
今回は以上です。
それでは、また。