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シリーズ完結!北野武監督「アウトレイジ 最終章」感想


 どうも、タコヤキです。

 

 2017年10月7日に公開された映画「アウトレイジ 最終章」を見てきました。

 

 シリーズの完結編となる本作。初代アウトレイジは2010年に公開されたので7年越しに完結となります。

 

 かなり綺麗に畳んだとは個人的に思っているのですが、初代アウトレイジのようなバイオレンスが足りないという人もいるかもしれません。

 

 どちらかといえば雰囲気はソナチネに似ています。
 「アウトレイジ 最終章」は過去の武ファンは絶対見るべき作品です。

 


 アウトレイジ初代の感想はこちらを

www.takoyaki-blog.com

 

 アウトレイジビヨンドの感想はこちらを

www.takoyaki-blog.com

 


 wikipediaであらすじをチェック

 アウトレイジ 最終章 - Wikipedia

 

 

 

~「アウトレイジ 最終章」はどんな人にオススメか?~
北野武作品が好きな人
アウトレイジを見てきた人
・ヤ○ザ作品が好きな人

 


~どんな人には勧められない?~
・過度なバイオレンスを期待している人

 


~どんな作品が好きな人オススメ?~
アウトレイジ過去2作
ソナチネ北野武監督作品)
・HANA-BI(北野武作品)

 

 

 

~ストーリーについて~

 

 7年かかったシリーズ最終章ですが、過去の過激なバイオレンスや策略というよりは、虚無感が漂うシナリオとなっています。


 一言でいうなら、主人公であり、武が演じるヤ○ザの大友のケジメ、後始末という感じです。

 

 正直言って、アウトレイジビヨンドで木村や山王会についてはあらかた始末がついています。


 だから韓国に潜んで、ゆっくりしていました。

 

 正直最初はのどか過ぎて、これはアウトレイジか?というほどのんびりした描写です。


 綺麗な海で市川と釣りをしています。

 

 しかし、どこか虚無感が漂います。
 その虚無感を打ち破るのが銃声というのが、また悲しいところ。

 


 しだいに策略と暴力が渦巻く世界に否応無く飲み込まれいくんですが、自分の運命を受け入れているかのようで空しい。

 

 完全にケジメをつけるために、再び日本に戻る大友ですが、今回の騒乱のメインは大友ではなく、花菱の内部抗争。

 

 正直に言って、すでに大友はほとんど関係ありません。最初のごたごたぐらい。
 
 それに加えて大友は義理や人情を大事にする昔ながらのヤ○ザみたいな感じでしたが、現代では何かと金金金です。

 

 正直もう大友が活躍できるところなんてほとんどなくなっているわけです。
 ヒットマンか処刑執行くらい。
 
 すでにヤ○ザを含めた現代社会に大友の居場所や無くなってしまっているわけです。
 この点も哀愁漂うし、現代社会とリンクしているところではないかと。

 

 花菱の内部抗争が落ち着いた頃には、大友の役割はほとんど終わっていて、残るは木村に関する後始末だけ。大友はそれを淡々と事務的にこなしていきます。

 

 なんというか、敗戦処理のような感じで空しさがすごいです。

 

 アウトレイジ 最終章」は大友の緩やかな終焉を描いているようでした。

 


~他のキャラクターについて~

 

 市川(大森南朋

 大友の良い相棒キャラクターでした。
 はやり大友の周りには義理や人情を大切にする人物が集まってきます。芯が入った人です。


 第二の木村という感じでしょう。
 
 最後は大友の帰りを釣りをしながら待っていることころで、彼の絵と共にエンドロールとなります。

 

 彼の存在が物語により哀愁を深めさせます。
 大友の生き様は彼に受け継がれるのではないでしょうか。

 

 そうすると大友の子供って感じなキャラクターになるんでしょうかね。
 彼が生き残ったというのがこの作品の唯一の希望でしょうか。

 


 西野 (花菱若頭)西田敏行

 

 怖すぎ

 

 本作で一番の切れ者です。
 変なイントネーションや関西弁がシュールに映りますが、普通に怖いです。
 ビヨンドより数段パワーアップして帰ってきました。

 

 最終的には彼が花菱の頭になるわけですが、まだまだ何かたくらんでそうです。
 現代における狡猾なヤ○ザの象徴的なキャラクターでしょうか。

 

 元証券マンの野村はヤ○ザというよりは社長みたいな感じでしたが、西田は元々のヤ○ザの恐ろしさと狡猾さを兼ね備えた感じの人物でした。

 

 しかし、大友に脅された時はさすがにビビッってました。
 数年後くらいに誰かに刺されてそう。

 


 中田(花菱会若頭補佐) -塩見三省

 

 ビヨンドでの圧倒的な怖さから今回はちょっと弱めになりました。
 多分塩見さんの病気が原因。

 

 それでも眼光はするどいですね。ちびります。
 本作では西野と組むことになりますが、これは西野を信頼してなのかは個人的には疑問です。

 

 野村が共通の気に入らない奴だったから、西野側にいったけど、彼も今後何を考えているのかは正直分かりません。

 

 性格的には結構義理堅い性格をしているので、どちらかといえば、大友に近い人物だと思います。

 

 今後は不明ですが、西野とは一悶着ありそう・・・

 


 張(張グループ会長) 金田時男


 韓国の大物フィクサー。一人だけ貫禄が異常で、西野が子供レベルに見えるレベル。
 正直、この人は花菱の内部抗争の火花にあたってしまっただけです。

 

 多分花菱に関しては、うっとうしいなレベルでしか感じてなかったと思います。
 実際、ほとんどは花菱よりもビジネスしてたし。

 

 しかし身内を傷つけられると、それなりに対応はしますが、日本の警察も関係してくると、手は引く。めちゃくちゃ頭が良い人ですし、聡明はな人です。度胸もある。

 

 かなりのやり手です。なんか日本なんか相手していないので、近年の日本を感じさせられました。

 

 にしてもマジで貫禄半端ない。

 

 

 花田(花菱会幹部)ピエール瀧


 今回のネタキャラであり、火付け人。あとマゾヒスト。つーか腹ですぎwww。

 

 この人が余計なことしなかったら、この物語はありません。
 ネタキャラですが割りと物語的には重要なキャラです。

 

 西田や中田がいるなかで花菱の漂白剤みたいなキャラクターでした。
 まぁ、どうしようもない人物なのですが。


 
 やベェ、もう書くことねぇ。次。

 


 野村(花菱会会長) 大杉漣


 元証券マン出身のヤ○ザ。金の使い方や稼ぎ方はマジでうまいらしいです。
 しかし、世界が違いすぎました。
 身の程をわきまえましょう。見積もりが甘かったです。

 

 今回の面白殺害の被害者です。
 ポロシャツシュールでした。
 

 

 繁田(刑事) 松重豊


 ビヨンドでも登場した刑事。大友以上に熱い人物です。

 

 彼も空しい終わり方を迎えました。大友はやることを全てやり終えたけど、彼は全てを中途半端に終わってしまいます。

 

 個人と組織に属する人間の違いでしょうか。

 

 多くの視聴者には大友より繁田に共感したほうが多そうです。
 権力が行き渡った組織の中では個人の情熱なんて見向きもされません。それどころか鼻つまみ者。

 

 悪人とはいえども、権力が絡めば何事もなく終わってしまう。
 死んだ人間もチンピラ程度だったらいいかみたいな扱い。

 

 現代社会の腐敗に真っ向から対立して、敗れて立ち去った。そんな人物です。
 ある意味もう一人の主人公だと思います。

 

 
 山王会の人たち

 堕ちるところまで堕ちたって感じ。

 文句たらしながら何もできないし、あげくに裏切り者だすし、ビビりだし。

 栄えたものはやがて衰退しますね。次。

 

 
 大友 (北野武

 

 本作の主人公。
 最終章は彼の後始末の映画だと個人的に思っています。

 

 大友の死に場所を与えられたかのような本作。

 

 今更彼の生き方は変えられないし、後戻りできる時間もない。
 自分の落としどころを自分で決めたって感じです。

 

 自分の手で幕を引き、自分の信じているもののために行動する。
 これはすごく辛く、難しいことです。

 

 大友の胸中の外では激しい抗争が繰り広げられてましたが、彼の中では静かなものだったのではないかと思います。ラストも静かに眠ったようでした。

 

 こんだけ欲望や策略が渦巻いている世の中で、彼のように生き方を自分で決め、死ぬ場所までも自分で決めれる人間がどれほどいるのでしょうか。

 

 信念や情熱、人情や義理が簡単に踏みにじられてしまう現代にどう生きていき、死ぬのか。
  
 そんなことを問いかけられているように感じました。

 

 

~まとめ~

 

 「アウトレイジ 最終章」は哀愁漂う綺麗な幕引きとなったと思います。
 見終わった後は心にぽかんと穴が開いたかのような錯覚を覚えます。

 

 しかし、そのごに色々と語りたくなり、考えたくなることが多くなる映画です。
 心に何かを植えつけられるような映画でした。

 

 アウトレイジ最終作、ぜひ劇場で堪能してください。


 今回は以上です。
ーそれでは、また。