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サイコキラーの物語。「ヒミズ」作者、古谷実の「ヒメアノ~ル」感想

 

どうも、タコヤキです。

 

就職活動本当に面倒くさいです。早くきまってほしい。

隠居して、ニートになれる日を目指してがんばります。

 

今回は古谷実さんの「ヒメアノ~ル」という漫画の感想です。

 

 

 そもそも「ヒメアノ~ル」ってどういう意味だよって感じですが、ヒメアノールって小型のトカゲの総称らしいです。

 しかも、捕食される側の生き物で、強者の餌となる弱者のことをあらわしているそうです。

 

 この時点であまり明るい話ではないことがイメージつくいと思います。

 雰囲気的には「ヒミズ」に似ていると思います。

 

 「ヒミズ」が気になる方はこちらもどうぞ。面白いです。 

www.takoyaki-blog.com

 

 

~「ヒメアノ~ル」はどんな人にオススメ?~

・暗い話が好きな人

・狂った殺人鬼とか出てくるのが好きな人

古谷実作品が好きな人

・群像劇が好きな人

 

 

~どんな人にはすすめられない?~

サイコパス系の人物が生理的に無理な人

・暗い話がそもそも好きでない人

 

 

~そんな作品が好きな人にオススメ?~

ヒミズ 古谷実作品 漫画

リリィ・シュシュのすべて 岩井俊二監督作品

タクシードライバー ロバート・デニーロ主演 監督はマーティン・スコセッシ

パルプ・フィクション タランティーノ監督作品

 

 

~ストーリーについて~

 

最初は岡田君を中心にストーリーが展開されると思ったら、大きく予想が外れました。

最初は岡田君中心に書かれていますが、実際の主人公は恐らくサイコキラーの森田君です。

 

しかし、岡田君を最初に中心として話を展開させると、森田君の異常性が恐ろしいほど目立ちます。日常と非日常がうまく混ぜあって、独特な雰囲気を放っています。

 

この独特な雰囲気は、「ヒミズ」でもありましたが、古谷実先生独特の技だと思います。

 

しかし、物語全体でみたら群像劇が一番適しているのではないかなと思います。

日常と異常な日常がうまく混ぜあった群像劇です。

 

これは映画のパルプ・フィクションみたいな感じです。

アニメでいったら「デュラララ!」ですね。

 

漫画全体としては完全に群像劇です。

登場人物一人一人の着地地点も非常にバラバラです。

 

というわけで、キャラクター一人一人に感想を書いていきます。

 

~各キャラクターについて~

 

☆岡田君

 

 日常を象徴するようなキャラクターです。

 冴えない日々を送っていましたが、ひょんなことから安藤さんやユカちゃんと出会い、彼の人生は充実していきます。

 本当にこのキャラクターだけみたら、で?これが何?っていいたくなるような感じです。

 迫り来る森田君からユカちゃんを守ろうと、なんとかしようとするのですが、相手が相手なだけ彼には何もできません。結局は警察に駆け込むことになります。

 

 余談ですが、彼はつまらない、馬鹿げた日常の大切さを象徴するキャラクターだと思っています。森田君という命に関わるような非日常と接することで、自分がどれだけ日常で馬鹿なことを考えていたかをかみ締めるシーンがあります。

 

 物語終了後は多分今以上に日常を大事にするようになるのではないかと思います。体調が元に戻ったユカちゃんと幸せにすごして欲しいものです。

 

☆安藤さん

 

 面白いキャラクターです。彼も日常を通して成長していきます。人と触れ合い、女性に振られ、騙されることでちょっとずず大人になっていく感じです。

本当にちょっとですが。(笑)

 

 物語終盤ではほとんど登場しませんが、彼も大事な日常を象徴するようなキャラクターだと思います。ある意味作中で一番幸せな人物かも?

 インストラクターの人と仲良くいけるのかなァ(笑)

 

 

☆森田君

 

 実質の主人公であり、サイコキラーです。

 でも彼の過去ってかなり悲惨なんですよ。いじめの内容も半端ないですし。

 

 それに自分の性にはじめて気がついた時には、死のうと思ったほど泣き崩れています。このことから彼は好きでこんなサイコ野郎になったわけじゃないんだと、心の底で叫んでいるようにも見えます。

 

 最後の涙はそんな彼の心の叫びを象徴しているのかもしれません。

 

 それでも、あんだけ人を殺してきたんですから、罪は罪ですし、恐らく死刑か終身刑並みの刑罰になるのは必至でしょう。

 

 森田君みたいな人に生まれる可能性は地球上の全ての人間に可能性があったわけだし、世の中のルールもめちゃくちゃ。いわゆる岡田君や安藤さんみたいな日常に溶け込める人間に入れない人間も必ず存在するわけです。

 

 そして、それはほとんど運によるものです。

 

 生まれた環境や境遇、性癖。自分ではコントロールできないものばかりで、人生が決まることは珍しくもなんともありません。

 

 こんな人間に生まれた自分を呪いながら、生を充実させようとする彼は、不気味で痛々しいです。彼を擁護するわけではないですが、彼を見ているとどこか全てを否定できないところがまたもやもやします。

 

 

~まとめ~

 

 「ヒメアノ~ル」は森田君が実質の主人公ですが、他のキャラクターも皆、何かしら見つけて、前進しているのがほほえましいです。

 これを森田君の視点で見ると、彼がどれほど悲しい人間かがわかります。決して擁護はできないけれど。

 

 映画もあるらしいので、機会があれば見てみたいと思います。気になる人はどうぞ。

 

  

 「ヒメアノ~ル」は良い群像劇だと思います。

 

今回は以上です。

ーそれでは、また。