生活保護のリアル。柏木ハルコ作、「健康で文化的な最低限度の生活」感想
どうも、タコヤキです。
ツタヤの漫画レンタル無料券があたったので、借りてきました。
生活保護の現場を描いた漫画「健康で文化的な最低限度の生活」です。
絵柄は優しめなタッチなので読みやすいですが、かなり現実的に厳しい話です。
それでも社会問題の漫画として、非常に良い作品です。
「生活保護は怠け者!」とか言っている人に読んでもらいたいです。
この漫画で少しでも一方的な生活保護のネガティブなところが払拭されればなぁと思います。
健康で文化的な最低限度の生活はどんな人にオススメ?
・生活保護についてわかりやすく知りたい人
・社会問題の漫画が好きな人
・生活保護の問題点を知りたい人
~逆にどんな人におすすめできない?~
・あまり関心が無い人
・生活保護を忌み嫌っている人
(それでも読んで欲しいです)
~どんな作品が好きな人にオススメ?~
・私はダニエル・ブレイク(映画)
・現代社会系(ブラックジャックによろしくとか、闇金ウシジマ君とか)
~話全体について~
主人公は公務員で生活保護課に配属となるところからスタートです。
最初のほうはかなり気楽に読み始めましたが、半分くらい読むとすでに暗い話になります。
役所の対応が生活保護申請を跳ね除けて、申請者が自殺してしまったなんてケースも現実にはあります。そして、それはこの漫画でもある話です。
映画「私はダニエル・ブレイク」でも役所が結局、困窮者を苦しめてしまうケースを描いていますので、こちらもオススメです。
最後のセーフティネットである生活保護がセーフティネットになっていないというケースも少なからず存在します。それが税金で成り立っているんだから、非常にデリケートな問題。
一方で、ニュースでは不正受給で騒がれていますが、それは全体で0.5%ほどだとか。
在日問題も絡めたらもっと厄介になりそう・・・。
そんなニュースが与える生活保護の悪いイメージを一変させる内容がこの漫画には凝縮されています。
そういった意味でこの漫画は非常にオススメなわけです。
申請者側も制度を良く知らずに申請し、気がついたら違反的なことをしていた、なんてこともあるので、よく生活保護制度については調べておいたほうがいいなァという気持ちにさせてくれます。
生活保護の問題点や様々なケースの受給者がいるということだけでも読んでいるとかなり勉強になりますし、「生活保護受給者は怠け者だ!」みたいな、偏見も薄れていくのではないかと思います。巻末には生活保護の制度の簡単な説明もあります。
よく読んでおいて損はないでしょう。
今の時代いつ自分が困窮者になるか分かったもんじゃありませんからね。
~キャラクターについて~
基本的には主人公の周りには良い人たちしかいません。しかも有能な人多すぎ(笑)
1人だけ、生活保護受給者を見て、「クズが」って言っている職員がいるのですが、実際にはこういう人って一杯いるんだろうな、と思います。
まァ、全体的には良い人しかいないので、安心してこんな暗い話でもテキパキと読むことができます。
なんだか癒しの面もありますし。
~まとめ~
安易に生活保護を申請すればいいや、と思っている人。
生活保護は怠け者と思っている人。
そもそも生活保護をよく知らない人。
この漫画は生活保護のイメージを改めさせる、良い社会的な啓蒙漫画です。
僕自身様々な誤解をしていましたので、反省しています。
かなり読みやすい漫画ですので、日本人全ての人にオススメです。
決して人事ではないことなんですよ。生活保護って。
今回は以上です。
ーそれでは、また。