日常と原爆、こうの史代 「夕凪の街 桜の国」感想
こんにちは、タコヤキです。
kindleでセールになっていた、「夕凪の街 桜の国」という漫画を読みました。
感想としては、、、
優しくて、切ないけど、力強い日常。
こうの史代は去年大ヒットとなった映画「この世界の片隅に」の原作者です。
「夕凪の街 桜の国」も戦時中の日常を描いた作品です。
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えっ?まだ見ていない?
それはかなり損しているので、早く見るべきです!マジで。
今回読んだ「夕凪の街 桜の国」は終戦後の話になります。
第1章「夕凪の街」では、終戦から少し後の話になっています。この話は本当にラストシーンが辛いです・・・
もう憎んだり、悲しんだりとかそういう感情を超えているような表現です。胸が締め付けられるような感覚に陥ります。とても短い話なんですが、非常に内容が濃いです。そしてこれは、第2章「桜の国」に繋がります。
第2章「桜の国」では、「夕凪の街」の主人公の姪が主人公になります。時は流れて、戦争の傷跡もだいぶ薄れていった頃の話です。原爆2世の話が非常に濃く描かれています。正直、見ていてかなり辛かったです。
「なんでも原爆のせいにするのはおかしいよ」というセリフが胸にささります。
しかし、この世界の片隅にでもそうなんですけど、桜の国はただ悲しいだけの物語ではありません。
結局、戦争の辛い影は消えたりはしないんですけど、次の世代の人たちは幸せになれとしっかりとエールを送っているんです。そしてその幸せのエールは次の世代の人たちにしっかりとバトンが渡っているんです。これはラストシーンを見れば分かりますし、この漫画の一番素晴らしいシーンです。
「この世界の片隅に」も「夕凪の街 桜の国」も最後には「希望」で物語幕を閉じます。日常の中で、辛い現実を記憶を乗り越えて、つぎの世代に希望をつなげるというスタンスは一貫しています。そしておっとりして、優しいキャラから、戦争という暴力に屈しないというとんでもない力強さが伺えます。それらが未来への希望と繋がっていく、物語はやはり涙なしには語ることは出来ないでしょう。
この漫画は繰り返し読めば読むほど、感動を味わえるタイプの漫画です。話自体は短いですが、内容は非常に濃いですし、力強い。「この世界の片隅に」を見た人は、ぜひこちらの「夕凪の町 桜の国」も読んでみてください。非常におすすめです。
「この世界の片隅に」も「夕凪の街 桜の国」も戦争が理不尽な暴力で、災害みたいな感じでかかれています。
それに屈しない、庶民の力強さや、生き方の描き方がこの作者の素晴らしいところであり、映画がヒットした理由だと思っています。
「夕凪の街」ではただただ悲しくて、悲劇的な話だったのですが、「桜の国」でしっかりと希望に繋がっていたのが本当に泣ける。短編漫画としてかなりの完成度だと思います。
僕はkindleで読んだんですけど、これは紙で読んだほうが良かったといまさらながら思います。作者の絵のタッチの余韻に浸るためには、紙のほうが断然良いです。
皆さんもぜひ、手にとって読んでください。
今回は以上です。
ーそれでは、また。