【書評】現実か夢か?中島らも「こどもの一生」はB級ホラーが好きな人にオススメ!
どうも、タコヤキです。
久々に小説のレビューを書いていこうと思います。
今回は中島らもさんの「子どもの一生」という小説です。
元々は演劇からとってきた題材だそうですが、詳細はちょっとんかりません。(すいません)
ホラーが好きだったり、押井守の映画のような現実か虚構か分からなくなってくる系が好きな人にオススメです。
「よろしいですかぁ?」
こんな人にオススメ!
・押井守の映画が好きな人
・B級ホラーが好きな人
・中島らもが好きな人
あらすじ
瀬戸内海の小島で5人の患者がセラピー治療を受けに来た。
セラピー治療の内容は投薬と催眠術で精神的に子供の頃に戻るという内容だった。
子供の頃の精神状態に戻った5人はその施設で楽しく過ごすことになる。だが、そこでとんでもないことが起こることはまだ誰も知らなかった。
感想:すっきりはしないけど、個人的には好み!
夢なのか現実なのかが分からなくなってくる感じの話って、好きな人と嫌いな人が分かれそうですが、僕は好きです。しかもホラーテイストだから超不気味。
キャラクター達も個性が強くて良かった。
映像ではなく、文章でここまで不気味で生理的嫌悪感を覚える小説はなかなか無いと思います。
子どものイライラさせられるような無邪気さと邪悪さも描かれていて、人という生き物ってやはりどこか怖さを感じる。そのあたりの描写も生々しく描かれていました。
後半の盛り上がりは凄い。山田さんにやられていくシーンは、ページをめくる手が止められなくなりました。
超展開を繰り広げながらも、情け容赦ないシーンの連続は不快さを覚えながらも、続きが気になってしまう。
命が消える瞬間の文章がすごく簡潔かつ、インパクトがあるので残酷で虚しい印象が強かった。しかもそれが幻なのか現実なのかが分からない。その独特な文体は読んでてある種の快感を覚えるほどです。
シナリオ的にはモヤモヤした感じになるラストですが、個人的には好き。
冒頭もどうなるのか分からないふあんさと子供の無邪気さが合わさって、不気味な雰囲気が良かったです。
中島らもさんはこれが初めて小説なんですが、他の作品も読み漁ろうと思います。子どもの一生はスティーブン・キングを思い出させるようなホラー小説で面白かったです。
映画化とかしないんですかね。
勝手な人物評
・みっちゃん
ガキ大将。でも凄腕経営者であるという。憎まれっ子世にはばかるとはこのこと。
ムカつくシーンばかりですが、こういう子いるうよねって感じの子です。肉体おっさんだし、禿げてるらしいけど。
・かっちゃん
みっちゃんの子分。現実ではみっちゃんの秘書を務めている。
この物語のヒーローとなる存在。ハリーポッターのドビーみたいなことする。
っていうか強すぎ。
・とっちゃん
子供の頃から勉強づくしのエリート。見事にうつ病になった。
プログラミングを自在に操る天才少年。おっさんだけど。
・静
クールな女性。この物語のヒロイン的なポジションにいる。
極めて普通なのが特徴って感じの安心キャラ。
・EMI
うつ病になったアイドル。静とは反対に元気ハツラツ系のヒロイン。
本名は忘れました。すいません。
・医者
銃をぶっ放すのが趣味の精神科。パトレイバーの太田さんを頭良くした感じ。
海で魚を捕ったりすることもあるワイルドな精神科。
・助手
優秀な助手。いると安心する聖母キャラ。
・山田さん
「よろしいですかぁ?」
怖い。怖い。マジ怖い。
今回は以上です。
ーそれでは、また。
今回は以上です。
ーそれでは、また。