【書評】不思議さわやか青春小説。万城目学「鴨川ホルモー」感想
どうも、タコヤキです。
今回も万城目学さんの小説の感想です。映画にもなっています。
「鴨川ホルモー」という作品です。
メチャクチャテンポがよく、ギャグも織り込まれているので非常に読みやすい小説となっています。読書をあまりしないという方にもオススメできる一冊です。
一言で言うなら、学園ピクミンみたいな感じですかね。
意味わからんって思った人は許して下さい。
簡単なあらすじ
京都大学に入学した新入生の阿部と高村は京大青竜会という怪しいサークルに勧誘される。新歓で出会った可憐な乙女に一目惚れし、阿部は成り行きでサークルに参加することになる。しかし、そのサークルで行われていたことは世にも奇妙な競技だった。
「鴨川ホルモー」はこんな人にオススメ!
・青春小説が好きな人
・京都を舞台にした作品が好きな人
・ピクミンみたいなのが好きな人
映画もありますので、興味がある方はぜひ▼
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感想:京都を舞台にした痛快さわやか不思議青春小説!
前感想を書いた「バベル九朔」より、はるかに読みやすく、とっつきやすいと思います。(バベル九朔が気になる方はこちらからどうぞ▼)
もちろんちょっとファンタジー要素はありです。オニがピクミンみたいですね。(笑)
話のテンポが軽く、ところどころで笑える箇所も多いので非常に読みやすい小説でした。
京都を舞台にした大学の青春物語なので、森見登美彦さんの「四畳半神話体系」や「夜は短し、歩けよ乙女」が好きな人には刺さる作品だと思います。▼
鴨川ホルモーの面白いところは、やっぱり爽快な楽しさにあります。
やってることは現実的ではないのですが、話自体はとてもありふれた大学の青春って感じです。恋愛に関する話なんてもはや漫画ですからね(笑)。どこか懐かしさすら覚えます。30代や40代くらいの人にはそう感じるんじゃないかな。
あまりにも馬鹿馬鹿しく感じるんですが、そこが愛おしいです。
物語が好きな人は、嫌いにはなれないような小説でした。
「バベル九朔」でも思いましたが、万城目学先生の小説は最初にたくさんの謎がちりばめられていて、それらを回収していくスピードがとてもテンポがよいと思います。
最初はなんの話なのかわからないんですけど、中盤あたりから謎がどんどん明らかになっていって、気がついたら最後まで一気に読んじゃうんですよね。
いつの間にか万城目さんの世界に入り込んでしまいます。
まるで遊園地のような小説なんですよ。
飽きさせないし、読んでいて苦痛も感じることが全然ありません。
途中でギャグをはさんでいるから、笑いながら読めますし。
こういうのって、結構計算されている気がするんですよね。
どうやったら読者が離脱しないで、最後まで楽しく読んでくれるのかって。
そういった意味では、よくできたエンタメ小説です。物語自体も無駄がなく綺麗に完結しています。ライバルキャラの描写がもうちょっと欲しかったかなぁ、とは思いましたけど。
サークルに参加した面々がみんな下心ありってのが面白かった。若い人の刹那的な感情や初々しさが微笑ましいのなんのその。そんなようなことがスピード感溢れる文章で展開されていくんですから、そりゃベタでも面白いわけですよ。
終わり方もすっきりしていて、晴れ晴れとした気持ちなります。
なんか楽しくて読みやすい小説が読みたいなぁと思っている方はオススメです。
ぜひ、万城目ワールド(遊園地)を堪能してみてください。
「ホルモォゥゥゥゥゥーーーー!!!!」
今回は以上です。
ーそれでは、また。