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吃音症の苦悩。「惡の華」の作者、押見修造作品!「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」感想



タイトル長ぇwwww

どうも、タコヤキです。

1巻完結の漫画、「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」読みました。

 

 

作者は押見修造で、アニメにもなった惡の華の作者です。
(アニメの惡の華の絵はすごかったですねwwwww)

 

何かと辛い青春系を書くイメージが強い作者ですが、「志乃ちゃん」も舞台は学校です。
吃音症の少女が主人公であり、その少女の成長を描いています。

 

1巻ですのですぐに読めますし、この作者の漫画は読みやすいので興味があったらぜひ手にとってみてください。

 

 

 

~「志乃ちゃん」はどんな人にオススメ?~
・「惡の華」が好きだった人
・ぼっちやいじめに関する学園物が好きな人
・空いた時間にさくっと、漫画を読みたい人

 


~逆にどんな人にすすめられない?~
・短編漫画がまったく好きではない人
・学園物が好きでない人

 

 


~どんな作品が好きな人におすすめ?~
惡の華
・AURA
・ぼっちが主人公の作品

 

 

~ストーリーについて~


 シナリオの構成はしっかりしていると思います。
 何か奇抜な展開や伏線があるわけじゃありません。
 少女が自分と向き合い、ちゃんとした成長が描かれています。


 志乃ちゃんが抱える問題を顕わにし、出会い、苦悩、成長。シナリオに関しては安心して読めます。

 

 

~演出について~

 

 押見修造先生の一番の売りでしょうか?「惡の華」と同じく独特な描写があります。

 

 例えば、最初の志乃ちゃんが自己紹介する前のシーン。
 志乃ちゃんが緊張して何も耳に入ってこないほど、動揺しているとこです。ふきだしに文字がでかくなって、断片的にしか分からなくなっています。これだけで、志乃ちゃんがかなり動揺しているところが視覚的に伝わっています。漫画でしか描けない表現です。

 

 キャラクターの感情が爆発するところもそうですが、微妙な変化や態度も非常にうまいと思います。
 表情やしぐさの細かさだとか。そういう感情の振れ具合に起きる、微妙な変化の描き方がうまいなァと思います。


 ちなみにこれがうまいという理由は「志乃ちゃん」の巻末に作者自身が書いていますので、気になる方は読んでみてください。

 

 

~吃音症について~


 正直、吃音症についてはまったくの無知のタコヤキです。
 「あっ、こんな感じなのか」っていう小学生並みの感想でした。


 現実の吃音症はもっと辛いだろうし、病気に関しては今のところ何もコメントできませんし、変なことは私も言いたくありません。

 

 しかし、「志乃ちゃん」という漫画については言います。


 この漫画のテーマは吃音症なのですが、さらに突っ込んでいくと「惡の華」と同じテーマに落ち着きます。

 

 それは、「見たくないありのままの自分を受け入れること」です。

 

 「惡の華」の主人公の春日は、本しか読まない自分が何か特別なもの(変態)に憧れ、中村さんに惹かれていきます。


 しかし、後半では本が好きなだけの自分を受け入れ、一度は捨てた本を再び取り戻し、春日の本質を徐々に取り戻していきます。こうして、春日は本が好きなだけの自分を受け入れ、現実と折り合いをつけれるようになります。

 

 「志乃ちゃん」でもうまく喋れない自分が恥ずかしく、嫌いなため、どんなことをやっても志乃ちゃんはうまくいきません。

 しかし、音楽をやろうといってくれた仲間はそんなことは思ってもいません。志乃ちゃんはうまく喋れない自分を自分で責めているから苦しい思いをしています。

 

 そして、ラストで志乃ちゃんは自分の感情を吐き出し、自分を受け入れます。仲間も志乃ちゃんの気持ちには察していたのか、特に驚いたような表情はしていません。

 

 そして志乃ちゃんはこれからもうまく喋れない自分と付き合い、現実世界に溶け込んでいきます。

 

 ですから、「志乃ちゃん」のテーマは「見たくないありのままの自分を受け入れること」なんです。

 

 

~まとめ~

 

 1巻完結の漫画としては、良くできた構成だと思います。絵も軟らかめのタッチですし、台詞自体も多くはないため、さくっと漫画を読みたいというかたには最適だと思います。
 「惡の華」と平行して読んでみるのも面白いかもしれません。ぜひこちらも読んでみてください。

 

 

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 今回は以上です。
ーそれでは、また。