【書評】西原絵理子さん著『この世でいちばん大切な「カネ」の話』。「カネ」は妖怪のようなものだと思った。
どうも、タコヤキです。
今回は西原理恵子さん著の『この世でいちばん大切な「カネ」の話』の書評。
▼非常にお手軽な価格なので、ぜひ読んでみてください▼
とにかくガツンとくる内容でした。
投資とかの話ではないですが、お金の怖さやありがたみが存分に含まれた本です。
綺麗事のお金の話ではなく、投資で増やしたり節約する話でもない。
お金の魔力。怖さ。ありがたみ。
そんなお金の魔力にいかに人が惑わされ、翻弄されるか。
お金に関する心構えを厳しい話で改めてくれる。そんな本でした。
お金がない人も、お金がある程度ある人も読んでおいて損はありません。
お金に惑わされず、お金をコントロールして生きたい人は必読です。
ーー『この世でいちばん大切な「カネ」の話』はこんな人にオススメ!ーー
・お金に困っている人
・お金がたまらずすぐに消費してしまう人
・ある程度お金をもっている人
「貧すれば鈍する」はガチだと思った。
本書では西原さんの家庭事情が赤裸々に描かれているが、これが生々しくて思わず目を背けたくなるようなことばかり。
貧乏は人を狂わせることを改めて確認させられました。
子供が稼いだ金を平気でギャンブルにつぎ込む親。暴力。酒。etc。
貧乏ってのは人の理性を壊していく。映画「野火」で飢餓が人を狂気に駆り立てた。人は貧しくなり、腹が減って、先が全然見通せなくなると簡単に狂ってしまう。
これは、今も昔も変わらないことだ。だから僕らは飯を食べなきゃならないし、お金を稼がなくてはならない。人として保っていくために。
そして貧困は徐々に人の思考力を奪っていく。
貧困に慣れすぎると人は考えることを止めてしまうことが多いのではないかと僕は思う。だから貧困ビジネスや詐欺商品なんかは思考力がない人がターゲットにされることが多い。
貧困はそのようなハイエナのようなやつらをたくさんおびき寄せてしまうのかもしれない。実際にハイエナたちは子供に対しても容赦しない。恐ろしいやつらだ。僕らはハイエナから身を守るために勉強し、カネを稼がなくてはならない。そしてカネをコントロールしなくてはならない。
貧すれば鈍するという言葉は真実だ。余裕がなくなってなにも考えられなくなってしまう。その状態だと、たとえ「カネ」があっても散財してしまう。
そうして思考力が自然と落ち、悪い奴らにはめられたり自分で破滅してしまうような選択をしてしまうのかもしれない。僕らはそれを絶対に避けるようにするべきなのだ。
僕らはカネをコントロールできるようになるべきである。
「貧困はループする」もガチ。
貧困はループする。これも本当だと思う。
僕の周りでも親が勉強に興味なかったり、お金に関して不真面目だとその子供も良くない方向にいっちゃってるケースが多い気がする。
子供は親に影響されることは間違いない。親が「勉強はクソ」みたいな考えだと、勉強する好奇心や意欲が湧くことがなくなってしまう。逆に親が知的で文化的だと、子供もそれらに触れる機会が多いので興味を持ちやすい。
上記のようなことを文化資本と呼ぶ。主観だがこれが貧困ループのタネといってもいいくらいだ。しかも人の能力は遺伝と環境で8割くらいが決定する。行動遺伝学ではそのような研究結果がでているのだ。▼
残酷だと思うが、文化資本などにより貧困はループすることは多い。
そのループから抜け出すには並大抵のことではないはず。
僕自身貧困といえるような家庭で育ったわけではないから、貧困家庭というのがまるで想像できない。非常に恥ずかしい話であることは百も承知だが、おそらく実際に経験しないと分からない苦しみだと思う。
そこから抜け出すにはどうすればいいのだろう。
逃げ場所のようなものがあればいいのだけど、現実はそう都合のよいものは中々ない。下手をすれば貧困ビジネスに取り込まれる可能性ある。本当に大変だ。
僕はこれ以上貧困に関しては語れない。
自己責任なんて死んでも言えないし、自分が生き方を説くことも論外だと思う。
僕はこれ以上語れないのだ。
ただ、貧困はなくなってほしい。ただそれだけを祈るのみであります。
改めて「仕事」と「カネ」について考える。
西原さんの本を読んで改めて「仕事」と「カネ」について考えさせられた。
まずは「仕事」について。
僕自身仕事は好きではなく、ぶっちゃけニートになりたいとか毎日思っているほど。
けど、最近はライターの副業をやって仕事もそこまで悪くはないと思い始めています。あんだけ会社に行くのが嫌だったのに、何故副業のライターはやっている時は夜遅くまで仕事ができるのだろうか。対して稼げてるわけでもないのに。
西原さんは最後に「働くことが希望になる」とおっしゃっていました。
今までの僕だったら意味不明で、反発していたと思う。
けど、最近はちょっと違う考えになった。
ライターが続けられる理由は、「自分が望んでやっていて自分でコントロールできるから」である。
会社は嫌な時でも行かなくてはならないから、どうしても受動的になりがちだ。
いつのまにか会社に行って給料を貰うことが当たりまえになり、もらえるカネが我慢料みたいになってしまっている。
そして日本は多くの人がその我慢料としてのカネを貰うことに慣れすぎたのではないか?だから仕事は我慢するもの。嫌なものという印象が現れたのではないだろうか。
無論、ブラックやパワハラが多いというのも、仕事は嫌なものという印象を生むのに一役買ってる。会社で仕事に前向きになれないのだ。
けど、自分で選んで自分がコントロールしている仕事は思ったより悪くない。
大変なところもあるが、自分で考えて自分で直接手を加える。さらにはお客さんの喜んでいる様子が身近に感じられる。これも大きい。
これらはサラリーマンでは中々味わえない。それで得られる報酬とは我慢料ではなく、自分が望んで掴んだ「カネ」だ。お小遣い程度でも嬉しくないはずがない。
今の僕にとっての「カネ」とは2通りだ。
サラリーマンの我慢料としての「カネ」
ライターとしての自分で掴み取った「カネ」
後者のような「カネ」が増えるように仕事をしていきたいと今の僕は思っている。
結局「カネ」とは?
「カネ」はどこにでもいて、なんにでも化けることができる不思議な存在だと僕は思う。強いて言うなら決して消えない妖怪のようだ。だから絶対に向き合う必要がある。
時には人を化かし、人をはめる。
時には人を助け、人を幸せにする。
カネはそんな妖怪のような存在。
カネをコントロールしようとは言ったが、それはカネと仲良くなろうという意味でもある。
カネは札束だけの意味ではない。人との繋がりや知識だって資産というカネになる。
現金が少なくても、人との繋がり(人的資本)が豊かなら死ににくい。
そんなカネと仲良くし、味方に引き込むことが重要だ。
そのためには他人を喜ばせることが一番いい。
そうすることで「カネ」という妖怪が力強い味方になっていく。
「カネ」とはそういう存在だと僕は思う。
まとめ
西原さんの本は、僕にとってお金と仕事に関して改めて考えさせられるような本でした。それもハンマーで殴られたかのようなレベルで。
少しお金使いが荒くなっている人や、お金がない人、お金で悩んでいる人はぜひ読んでもらいたい一冊です。お金についてしっかりと向き合って味方にしていきましょう。
お金に関する本は大原さんの本も面白いです▼