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【書評】たもさん「カルト宗教信じていました。」を読んだ。カルトとブラック企業は似たやり口をしてると思った。

 

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 どうも、タコヤキです。
 今回はたもさんの「カルト宗教信じていました。」の書評を書いていきます。

 こちらになりますね。漫画形式なので読みやすいです▼

 

 

 本書の内容はエホバに入っていた著者の体験談です。
 宗教の話なのですが、その人の心に漬け込むようなやり口はブラック企業と似ている点がいくつもあります。
 今回はブラック企業とカルト宗教の類似点を含めて書評してきたいです。

 

 この本は宗教に嵌っている人にとどまらず、ブラック企業貧困ビジネスに苦しんでいる人。あるいはそれらに関わっている人に読んでもらいたい1冊ですね。
 苦しんでいる人には脱出の手がかりとなり、今は問題なくても今後気をつけることとしてお役に立てれば良いです。

 


「カルト宗教信じていました。」を読むべき人
ブラック企業貧困ビジネスに苦しんでいる人
・人を洗脳するやり口から身を守りたい人
・身近な人がカルトやブラック企業に取り込まれている人

 


宗教や貧困ビジネスブラック企業にハマりやすい人とは?


 ブラック企業もカルトでもそうですが、以下の人がハマりやすいと思います。▼

 

   ・真面目で気が良い
 ・精神的に弱っている
 ・弱い立場にいる
 ・孤独な人
 ・素直すぎる人
 
 本書たもさんはエホバに入ったのはお母さんからでした。
 たもさんのお母さんは育児や家事で忙しくしている時にエホバと出会い、エホバに嵌っていきました。

 

 貧困ビジネスや詐欺商品もそうですが、基本的には夢みたいなことを言ってくるのが常套手段ですよね。「悩みが一気に解決する」とか「1ヶ月で○○稼げる!」とか。

 

 ブラック企業も人が良かったり、真面目な人がハマりやすいというのは僕も目の当たりにしたことがあります。就労経験があるニートや引きこもりやうつ病の人も真面目な人が多いと「希望のニート」にも書かれています。▼

www.takoyaki-blog.com

 

 ブラック企業貧困ビジネスで搾取したり、カルト宗教に取り込もうとしている人たちは、基本的に上記で挙げた人が多いです。

 それを踏まえた上で、次は教祖に従うように洗脳するやり口を説明します。
 

ブラック企業とカルト宗教の共通のやり口

 完全に僕の主観になりますが、以下の特徴が多く当てはまる組織はカルト宗教的な要素があると思って良いです。▼

 

  
・人格破壊

・組織外の価値を完全に否定する
・周りの人の相互監視が常態となっている

・組織内で共通の敵を作っている
・飴(報酬)と鞭(罰)が絶妙
・言葉を含めた暴力が非論理的でも正当化されている
・自分がいる環境がヤバイことに自覚がない人が多い

 

 長くなってしまいましたが、いかがでしょうか。
 ブラック企業経験がある人には思い当たる節が多いはずです。

 僕もブラック企業に1年いたことがありますが、実に本書でも書かれているような環境がいくつかありました。

 

 第一に外の価値観は全て排除され、組織内だけの価値観が絶対視されています
 エホバだったら、エホバの偉い人たちの言うことが絶対。ブラック企業だったら上司の言うことが絶対。疑うだけで批判されますよね。


 さらにその組織の価値観を刷り込むためには、成人くらいなら今まで培っていた価値観を破壊する必要があります。ブラック企業だと「だからお前は駄目なんだ!」といった人格否定です。


 悪質なことに、子供の場合だとまだ既存の価値観というものが形成されていないので、成人より簡単に刷り込ませることができます。個人的にはこれが一番恐ろしい。


 

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 このような価値観を刷り込んだ人たちに連帯感を持たせることで、より強固な信者を作り出すことができます。その連帯感を出すには仮想の敵を作り出すことです。
 エホバだったらサタンですね。全てはサタンが悪いということにして、自分を脅かす敵としてみなし連帯感を強めていくのです。人の悪口を言い合うと連帯感が強まるのと似たような感じですかね。
 
 後は疑問を抱いた人間や、組織の意にそぐわない行動をした人間に鞭(罰)を与えたり、組織に都合の良いことをすることで飴(報酬)を与えることでより深みへ落としていきます。そこに相互監視を絡ませると完璧。洗脳の完了です。

 

 こうすることで組織の上が何やっても正当化され、組織の構成員は洗脳の自覚はもちろんのこと、モラルも判断基準も壊れていき組織の一部となるのです。

 

 何が怖いって、重症の場合だと自覚がなくなってしまうこと。
 上記のような環境で、強い疑問が生まれたらすぐさまそのような環境からは身を引くことが一番です。現実はそれがうまくいかないから問題なのだけど。。。 

 

全てが悪というわけではないが、犯罪の隠れ蓑に使われる。

 しかし、このようなおかしな環境でも救われるような人たちは一定数います。それは僕は否定できないことです。自分の心が壊れてしまわないようにするために何かを信じる。それはそれで1つの生存戦略であると僕は思いますよ。


 人の精神は脆いところがあるので、自分が自分でコントロールできなくなったらそのようなものに身を預けてしまう場合はあると思う。

 

 だけどそんな人の弱い精神を利用して、犯罪の隠れ蓑に使われる事例は非常に多いです。ブラック企業はもちろんのこと、エホバでは子供の虐待が正当化され、性的虐待の隠れ蓑にもなっているところがありました。

 

 映画「スポットライト 世紀のスクープ」でも宗教を隠れ蓑とし、子供を虐待する話があります。ちなみにこの映画は実話がベースとなっているので、興味がある人はぜひ見てみてください。▼

 

 

 正直このような犯罪は個人的に最も卑劣で下衆な行いだと思います。
 1つでもこのような犯罪が減ることを祈るのみです。

 

カルトやブラック企業から身と心を守るためには

 色々考えましたが、一番大事なのは

 

 「なるべく孤独でいないこと」です。

 

 自分では正常な判断が出来ないということは、自分には正直期待できません。客観的な目が得られないのですから。
 そうなると、頼みの綱は他人になります。おかしな組織のことを全く知らないような第三者と友達でいるのが一番良いです。クリーンな目で外から偏見が少なく、物事を判断してくれます。

 

 きっぱり善悪を判断しなくても、誰かがそばにいてくれるというのはそれだけで心強いものです。そのような友達がいれば、心が弱まることを押さえられ正常に近い判断を下せるようになりやすい。

 

 後は、「日頃から自分で考える癖をつけておくこと」です。

 

 インターネットの著名人がこう言ったから、これは正しいみたいな思考が一番カルトにハマると思います。実害は本書やブラック企業のようにでかくはないかもしれませんが、養分にされることも十分にあり得ます。

 

 「間違っても、多少非論理的でも自分の頭で考える。」
 「孤独でいないこと。」

 

 この2つが大事なのではないかと思います。
 

まとめ

 自身のブラック企業経験や、現代のニュースやインターネットを見ていると本当に小規模なりのカルトがいくつかできてるのではないかと思います。

 

   全てがヤバイというわけではないですが、自分で考えていかないといつまでも他人に振り回されてしまう。

 

 今回の本は、自分にとって上記ようなことを考えるきっかけとなった良い機会でした。最後にこの本を出版し、赤裸々な体験談を語ってくれたたもさんの勇気に敬意を表します。素晴らしい本ありがとうございました。