Netflixオリジナル!ポン・ジュノ監督『オクジャ』感想!
どうも、タコヤキです。
今回もネットフリックスNetflixオリジナル映画の感想です。
作品はポン・ジュノ監督による『オクジャ』
これはまた賛否両論になりそうな作品でした。
前半はトトロみたいな感じの冒険なんですが、後半は重たいテーマ。
子供向けかと思いきやそうではなく、大人でも頭抱えたくなるようなテーマでした。
やっぱりポン・ジュノ監督はすごいですね。
基本情報
『オクジャ』
監督:ポン・ジュノ
脚本:ポン・ジュノ
ジョン・ロンソン
製作:ポン・ジュノ
チェ・ドゥホ
製作総指揮:ブラッド・ピット
テッド・サランドス
出演者:アン・ソヒヨン
ティルド・スウィントン
ポール・ダノ
シェイク・ジレンホール
配給:Netflix
上映時間:120分
配信日:2017年
簡単なあらすじ
ミジャは祖父とスーパーピッグという豚のオクジャと仲良く暮らしていました。オクジャはアメリカの大企業ミランド社が遺伝子改造を施して成功したスーパーピッグだった。しかし、オクジャが大きくなった頃、ミランダがオクジャを商品としてミジャから引き取ることになる。ミジャはオクジャをミランダ社から取り戻そうと山奥を飛び出す。
『オクジャ』の見所
・トトロみたいな冒険(前半)
・重たいシナリオとテーマ(後半)
こんな人にオススメ!
・動物好きな人とかペット飼っている人
・冒険系の映画が好きな人
・重たい話が好きな人
こんな人にはオススメできないかも・・・
・重たい話が苦手な人
こんな作品が好きな人にオススメ!
・となりのトトロ
・ベイブ
・未来少年コナン
感想:少女とオクジャの冒険は楽しい!だが後半は話重たすぎ
最初は子供と動物の冒険ということで、ベイブやゲームの「人喰いの大鷲のトリコ」のような感じで楽しみながら見ていて癒される冒険話です。
オクジャ可愛いですね。マジでトトロか何かでした。
しかーし、後半になると雰囲気が一変します。
ポン・ジュノ監督ですからね。楽しい雰囲気のまま終わらないとは思っていましたが、これはきつい・・・。
人によってはかなりの嫌悪感を抱くこともあるでしょう。怒りを抱くような人もいると思います。それくらい重たい話です。
この映画の後半は様々な立場や主義主張を唱える人間が登場し、オクジャを中心に展開していきます。
ミジャはオクジャを家族として扱い取り戻すために
テロリストは自分たちの思想のために
ミランド社は商品(利益)のために
ミジャは自然的で何も社会を知らない純粋な子供という立場で見ると、ミランダ社の人々はオクジャを商品としか見ておらず、物のように扱うのでミランダ社に嫌悪感を抱くようにリードされます。
これだけ見ると行き過ぎた資本主義の批判としてとれるんですが、ことはそう簡単ではないといのが僕の感想です。
この世界では食糧危機が深刻な問題になっており、ミランダ社はそれを乗じて自身のビジネスを展開させ、食糧危機の対策を掲げています。当然利益目的の人もいるでしょうが、実際にスーパーピッグが実用化されれば、食糧危機の問題を改善することはできるはずです。
だから一方的にミランダ社を否定することはできないと思うんですよね。放っておけば食糧危機はどんどん深刻になっていくし。
もちろんその裏に醜悪な内部抗争やモラルに反することをしていることもまた事実なわけです。これを必要悪ととるか、仕方のないことととるか、許されるべきではないという意見の差でとるべき立場が変わってきます。傷つく人達も得する人も変わってきます。
これは内容は違えど現代社会でも本質的には変わらない問題があると思います。
「オクジャ」の後半のテーマはこのような複雑性をはらんでいるのです。
「オクジャ」はそんな現代の人間たちの罪の被害者として描かれているのかもしれません。このポスターを見ると印象的ですし。
人間の立てた塔がオクジャの体から生えてる。人間の傲慢さと罪をオクジャに植えつけているという意味なのかも・・・。
ラストシーンはそんな人間たちの営みに対する、生き物たちの悲しい叫びなのかもしれません。重たく、すっきりしない物語です。前半の冒険劇からするとなおさらね・・・。また濃い映画ですよ、オクジャ。
そういった娯楽と社会批判とテーマが詰まった映画が『オクジャ』です。Netflixオリジナルでこのレベルの映画は素直にすごいと思います。ぜひ見てみてください。
今回は以上です。
-それでは、また。